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特集 「医師生涯教育」の場としての病院
「医師生涯教育」への病院の対応
著者: 大貫稔12 佐藤文明34 勝村達喜56 並木恒夫78 渡辺晃9 遠藤博志10 蜂須賀喜多男11 吉冨正一12 勝呂長13
所属機関: 1筑波大学社会医学系 2茨城県医師会 3自治医科大学附属病院 4自治医科大学脳神経外科 5川崎医科大学附属病院 6川崎医科大学外科 7国立仙台病院臨床検査科 8国立仙台病院地域医療研修センター 9国立水戸病院 10松戸市立病院 11大垣市民病院 12山口赤十字病院 13板橋区医師会病院
ページ範囲:P.747 - P.759
文献購入ページに移動「医師生涯教育」への大学教官の対応—筑波大学
はじめに
日本医師会が昭和61年度に試行した「医師生涯教育」の制度化については,医師会員の中から,かなりの反対意見が出たことは事実である.しかし,これを強制的に制度として課すかどうかは別として,昨今のような日進月歩の科学の急速化の時代においては,臨床に携わる医師は自ら進んで新しい知識の吸収に鋭意努力しなければ患者本位の満足な医療はできないであろう.しかも単に治療や診断の技術・知識以外に,患者とその家族の全人格を尊重し,人間らしさの復権を目指した保健・医療・福祉のすべてを包括した全人的対応を考える医師となるよう質的な意識の転換が要求されている時代においては,純粋の医学の分野以外の知識も臨床医は自発的に身につけておく必要がある.
この1年間を振り返ってみて,「医師生涯教育」の試行がきっかけとなって,医師会員の間には自発的な勉学・研修の意欲が急速に昂まってきたという感触があるが,今後はこのような医師会員の生涯教育——というより生涯研修といったほうが適切だと思うが——の意欲を支え,活性化に協力するという点で,研究機関である医科大学,大学医学部および各地域での中核的総合病院の果たす役割は極めて重要である.
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