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特集 「老人保健施設」試行実績をこう見る
「老人保健施設」導入により老人医療はどう変わるか
著者: 大井玄1
所属機関: 1帝京大学医学部・公衆衛生学
ページ範囲:P.861 - P.863
文献購入ページに移動老人保健施設制度は,その初期観察期間を経て,いよいよ本格的に動き出したようである.
老人保健施設制度の構想された経緯は具体的にはつまびらかではない.しかし少なくとも一般に明らかな背景は,老人に由来する医療費は年々急増していること,老人人口はこれから21世紀前半にかけてほとんど倍増するであろうこと,急性期の病が治り一応安定した老人であってもなかなか家庭に退院させることが出来ず,いわゆる社会的入院が増えていること,またその一方,大家族制度から核家族制度への変化,婦人の就業率の上昇等の諸要因から家庭あるいは一般に地域の介護能力が低下しつつあることであった.
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