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文献詳細

雑誌文献

病院47巻2号

1988年02月発行

文献概要

医療におけるQOL 現代患者論序説・5

人格形成ファクターと患者のQOL

著者: ニノミヤアキイエ・ヘンリー1

所属機関: 1神戸聖隷福祉事業団

ページ範囲:P.171 - P.176

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はじめに
 「人は人により人となる」と古くから言われているように,人間は他人との接触によって人格形成がなされる.人間はまず胎児より出発して幼児期,青年期,成人期,高齢期へと人生の旅を続けて死を迎える.他の動物と較べて人類の特徴は幼児期が長いことである.文化が進み,社会構造が複雑になると,幼児期は更に長くなる.その理由は,ひとりの人間を一人前の社会人として育てるために,技能的,知的,科学的な訓練を必要とするからである.文化,経済が豊かになると学齢期が長くなり,婚期も遅くなる.当然QOLにおけるLife (ライフ)の内容と質も変化する.成長期には脳,骨,筋肉,内臓等の身体機能的発達と同時に,人格も形成されていくからである.
 精神分析学の研究は身体解剖学よりはるかに遅れて発達してきた.S.フロイドが「夢判断(The Interpre-tation of Dreams, 1900)」を発表してからまだ100年もたっていない.その間に医療は人間の心理面への配慮を行うことなく,身体解剖学を中心に発展してきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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