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特集 地域医療計画と病院
地域医療計画をどうみるか
著者: 大田浩右1 岩本光存欣2 安東三郎34 黒岩卓夫5 竹内三郎6
所属機関: 1医療法人大田記念病院 2医療法人延山会北成病院 3兵庫県医師会 4兵庫県医療審議会 5ゆきぐに大和総合病院 6竹内病院
ページ範囲:P.320 - P.325
文献購入ページに移動◆実感とかけ離れた算定病床数
広島県の地域医療計画1)で,昨年7月20日に公示された既存の病床数は27,850床,算定された必要病床数は29,326床で充足率は95%,すなわち1,476床が増床可能分であったが,増床申請によって,このベッドは,あっという間になくなってしまった.ところが,公示直前になって,3,085床の原爆特別加算が行われ,必要病床数は32,411床となり,充足率は95%から85.9%と,一挙にベッド不足地域となった.
一方,隣接の岡山県は,既存病床数23,498床,地域医療計画により算定された必要病床数は21,148床で,端から充足率111.1%のベッド過剰地域となった.私の住んでいる福山市は広島県東部で,岡山県に隣接しており,両県の医療状況が分かりやすい立地にある.岡山県は11.1%の過剰,広島県は14.1%の不足と,両県の間には25.2%という大きな数値的開きが出ているが,私の感覚では,両県の病床事情はほぼ同等で,どちらも十分に充足しているとの印象をもっていた.特に両県は病床数にカウントされていない有床診療所が多くあり,この発表された数値に大層驚いている.
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