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文献詳細

雑誌文献

病院47巻5号

1988年05月発行

文献概要

特集 ナースに選ばれる病院

ナースはなぜ病院を辞めるのか,辞めたがるのか

著者: 稲岡文昭1

所属機関: 1日本赤十字看護大学

ページ範囲:P.421 - P.423

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はじめに
 この5〜6年来,病院の倒産というニュースを耳にするようになり,病院経営をめぐる問題がクローズアップされてきて,それに伴い,医療サービスの質の向上が問われるようになってきた.これら両者の問題をナースに関係する視点から眺めた時,ナースの人件費が病院経費のなかで大きな比重を占め,また看護ケアの質が医療サービスの質に影響を与えるため1),改めてナースの退職,あるいは病院外職場移動(turnover)が注目されるようになってきたのは当然といえば当然のことである.
 アメリカでは,一人のナースを雇用し,オリエンテーションを含め,その病院でひとりで働けるまでに要する人的・時間的エネルギーは,お金に換算するとざっと40万円と言われている2).このようにして雇用したナースは,2〜3年してやっと"一人前"になり,職場でリーダーシップの発揮が期待される26〜29歳になると,急に退職の欲求が強くなり,実際に病院を辞めていく.特に大都会の病院では中堅ナース不足の現象が慢性化し,新卒ナースの指導上の問題に直面していると言われている3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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