文献詳細
文献概要
人
天然痘根絶で日本国際賞を受賞国立熊本病院院長 蟻田 功氏
著者: 麦谷眞里1
所属機関: 1厚生省大臣官房国際課
ページ範囲:P.564 - P.564
文献購入ページに移動蟻田先生は,1926年生まれ.厚生省に厚生技官として奉職中の1962年,WHOのアフリカ地域事務局に,天然痘対策の担当官として招かれた.当初,二,三年で再び厚生省に帰られる予定であったが,その手腕が高く評価され,1964年には,ジュネーヴの本部に移り,1966年,天然痘根絶対策本部発足と同時に,D.A.ヘンダーソン部長(現:アメリカ合衆国ジョンス・ホプキンス大学・衛生公衆衛生大学院長)のもとに医官として参画された.更に1977年,ヘンダーソンがジョンス・ホプキンスに移った後,本部長に就任されて,全世界の天然痘根絶対策の陣頭指揮を取る立場になられた.そして,1980年,3000年の長きにわたって人類を苦しめてきた天然痘の根絶宣言が,WHOの手によってなされたわけである.その,快挙とも言える偉大な功績によって,1988年の日本国際賞が,蟻田先生ら3氏に贈られたことは,われわれの耳目に新しいところである.
掲載誌情報