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文献詳細

雑誌文献

病院47巻7号

1988年07月発行

文献概要

特集 インフォームド・コンセント

医の倫理とインフォームド・コンセント

著者: 加藤尚武1

所属機関: 1千葉大学文学部

ページ範囲:P.583 - P.586

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「インフォームド・コンセント」は近代主義的概念か
 「インフォームド・コンセント」という概念を医療関係の「近代化」をあらわす概念とみなして良いのか.医師と患者の関係が,呪術師と信者をモデルとする上下関係から,民事契約をモデルとする水平の関係に移って行くことの現れだと見ることは,正しいのだろうか.先生と呼ばれて上に立ち,命令もするが同時に患者を父のような力で保護する,どちらかと言うと封建的な医師像から,患者と人間としては対等の関係にたつ,近代的な医師像に変わっていく,そのような「医師像の近代化」のあり方として「インフォームド・コンセント」があると理解したら,大きな誤りになるのではないだろうか.すなわち「呪術師モデル」と「民事契約モデル」のほかに,第三のモデルが存在しなければならないのではないだろうか.
 まず「ポスト・モダニズム」の発想法で,疑問を提起してみる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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