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文献概要
医療従事者のための患者学
「患者の理解」への心理学的アプローチ(その2)
著者: 木村登紀子1
所属機関: 1聖路加看護大学・心理学
ページ範囲:P.683 - P.687
文献購入ページに移動 本シリーズの第1回目では,"患者学"の課題や目標の模索的な設定を行い,2回目と3回目において,哲学や東洋医学の分野での様々な人間理解や病気の捉え方について検討した.そして,それらの試みによって,"患者学"における「人間観や患者観」や「人間理解や患者理解の方法論」を選択するための基礎づけを行った.前回(6月号)では,患者をそのような特質をもつ存在として捉える時,どのようなアプローチが"患者学"の目標実現に適切かという観点で,心理学の諸々の学派の中からいくつかの流れを選び出した.更に前回の後半では,"患者学"への心理学的アプローチの具体的な検討の手始めとして,あらゆる心理現象の根本にある,人間(主体)が外界(対象)をどのように把握するか,という問題を取り上げた.
本稿では,まず前回に引き続き,人間の外界把握を取り上げ,それにかかわる主体の側の欲求(ニーズ)や動機(モティベーション)の問題を扱うことにより,患者や医療従事者が,人間として基本的にどのような外界認知を行っているかを示そう.そして次に,そのような認知の仕方をする医療従事者が患者を理解するとはどんなことか,あるいは患者の側の認知の仕方を個別的に理解するとはどのようなことなのかについて考えてみよう.
本稿では,まず前回に引き続き,人間の外界把握を取り上げ,それにかかわる主体の側の欲求(ニーズ)や動機(モティベーション)の問題を扱うことにより,患者や医療従事者が,人間として基本的にどのような外界認知を行っているかを示そう.そして次に,そのような認知の仕方をする医療従事者が患者を理解するとはどんなことか,あるいは患者の側の認知の仕方を個別的に理解するとはどのようなことなのかについて考えてみよう.
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