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文献詳細

雑誌文献

病院48巻11号

1989年10月発行

文献概要

特集 病院と医師の教育研修

臨床医師研修と学位制度

著者: 伊賀六一1 石飛幸三2 大田浩右3 滝沢貴昭3 佐藤昇樹3 高橋一則3

所属機関: 1東京都済生会中央病院 2東京都済生会中央病院外科 3特定医療法人大田記念病院

ページ範囲:P.1048 - P.1053

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新しい価値観への転換
 医学・医療の専門分化が進む中で,臨床医学研究と臨床技術の習熟とは,質的に二律背反の性格を持ち,臨床を目指す多くの若い医師は,高度化する医療技術に追いつくため卒後臨床研修に専念しなければならないという焦りに駆られながら,一方では学位制度があり,それによって将来の就職にも関係する以上,肩書取りのための教室生活を送っているものも少なくない.
 臨床分野において,「優れた研究者」が必ずしも「優れた臨床医」とは限らないことは,多言を要しないであろう.しかし,実際には学位が臨床医としての社会的評価につながると考える人も多い.事実,大学附属病院で臨床研修の片手間に学位を取るものが,大学院による課程博士よりはるかに多いのが現状である.このことは研修医制度の立場からも,問題点として洗い直す必要があろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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