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実践・病院のマネージメント・1
病院のイノベーション
著者: 井手道雄1
所属機関: 1聖マリア病院
ページ範囲:P.131 - P.135
文献購入ページに移動我が国で医療機能を持つ最初のものは光明皇后の仏教思想による施薬院であるが,近代病院としての始めは,明治時代に,行政主体で各地に建てられた医学校の附属病院をはじめとした官公立病院であり,今次世界大戦の終了まではほぼ同様な組織機構,運営管理体制できたといっても過言ではなく,病院経営の認識は無きに等しかったともいえる.
一方,欧米諸国の病院は中世時代に修道院などを中心に発生しており,キリスト教による愛と奉仕の精神により,市民社会の中から生まれ,看護も同時に始まっている.当然のことながら,官立といういわば上から与えられて出来た我が国の病院と,市民社会の中から出来た欧米の病院との間には,その組織・運営上も大きな差を生じており,これが後々まで大きく影響していることは否めない事実である.
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