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雑誌目次

雑誌文献

病院48巻6号

1989年06月発行

雑誌目次

特集 今日的物品管理をめぐって

物品管理のための組織のあり方

著者: 石井教男

ページ範囲:P.493 - P.495

本院の概要
 東京慈恵会医科大学は,柏市からの大学附属病院誘致に際し,誘致の基本原則が大学附属病院の使命達成に妨げとならないことが確認されたことにより,昭和60年2月,病院建設の基本協定を結んだ.
 建設に当たっては,教育・研究・診療の3機能を具備し,かつ地域住民のニーズに応える高度先進医療ならびに24時間救急医療を提供することを基本構想とした.

物品管理システム化の経済効果

著者: 後藤保郎

ページ範囲:P.496 - P.500

 昭和61年10月に全面移転新築した兵庫県立尼崎病院において,開院当初より物品管理のシステム化に取り組んできたが,その経済効果について報告する.
 まず,テーマの核心に迫る前に,新病院の建築に当たっての理念,そしてその中での物品管理の位置づけを明確にしたい.

物品管理の実際—問題点を改善しながらの体制づくり

著者: 阿部廣介

ページ範囲:P.501 - P.503

 近年,医療技術の進歩に伴い世界の先進国では国民総医療費の急激な増大を来し,その負担に堪え切れなくなっている.わが国でも昭和56年6月の医療費の改定を皮切りに次々と抑制策が打出され,これとともに病院経営の改善が強調されるようになった.医業費用の中で材料費は給与費,経費とともに経営に及ぼす影響が大きく,物品管理には注意を払う必要がある.
 当院の看護部では,薬品を除いた物品・器材のすべてを中央滅菌材料室(以下,中材という)より供給している.これにより在庫,供給,消費管理において満足すべき成果を得ていると思われるので,これを紹介するとともに物品管理に対する私見を述べてみる.

物品管理の実際—材料部における物品管理の現況と考え方

著者: 山田一男

ページ範囲:P.504 - P.506

 医療の分野で使用される物品は,多様化し複雑化の傾向にあり,特に使い捨て商品であるディスポーザブル医材(以下ディスポ医材という)の浸透は目覚ましい.ディスポ医材の客観的な評価の面については,多種類で次々に新製品が開発され,それ故,情報の把握が不足し,その価値判断は難しい.しかし臨床現場での評価は高く,医材の安全性,多様性,業務の効率化を考え,広範囲にわたって使用されている.
 このような状況にあって,病院ではディスポ医材をはじめその他の診療材料等,中央材料部(以下中材という)で取り扱う品目も複雑多岐になり,業務量の煩雑化・増大がみられるようになった.そして,中材の整備拡充の必要性がクローズアップされ,効率の高い円滑な運営が求められてきている.

物品管理の実際—看護部の活動と外来の工夫

著者: 梅津キミ ,   多田操

ページ範囲:P.507 - P.509

物品管理の点と線
 リクルート事件で混迷を続ける政局,平成元年はものの本質を問う時代の始まりとなるであろうか.医療経済にもさまざまな環境変化が加わり,病院においても経営思想の変革が必要である.
 当院における医療理念は下記に示すものであり,経営努力目標は,①患者サービスの向上,②病床利用の向上と回転率の向上,③診療報酬請求のシステム化,④診療材料の効率的な利用,となっている.

百貸店の商品管理システムの考え方—岩田屋

著者: 小田次郎

ページ範囲:P.510 - P.513

企業の概要
 岩田屋は,三越,高島屋などわが国の代表的な百貨店と同様に,1754年,筑前52万石の黒田藩の城下町に開業した呉服店にその起源を持つ.
 昭和10年(1935年)5月,資本金50万円をもって株式会社岩田屋百貨店へと発展解消を遂げ,翌11年,福岡市天神町において営業を開始した.九州はもとよりわが国有数の地方百貨店に成長した岩田屋本店の昭和63年度の売上高は734億円であり,地方百貨店として単独店舗売上高全国一の座を占めている.

鼎談

今日的物品管理をめぐって

著者: 植垣惣次 ,   梅津勝男 ,   井手義雄

ページ範囲:P.484 - P.492

 井手 本日は,規模も形態も異なる病院からお越し願って,今日的物品管理のあり方のあれこれをお話し合いいただきたいと思います.どちらも有名な病院ですが,簡単に病院の概要をお話しいただいてから始めたいと思います.
 植垣 済生会はご存知の通り,全国都道府県に68の病院があり,東京都の済生会は,中央病院と向島病院と4診療所があります.中央病院は450床で,全病棟特3類をとりましたので,平均在院日数18日ぐらいです.収益的にはどうやら赤字にはならず若干の黒字を出している状況です.当院の特色は,医師の数が多いことで,常勤が100名近く,非常勤を含めると100名は十分越します.

グラフ

地域との触れ合いの中で住民のための医療を展開する—社団法人福岡医療団千鳥橋病院

ページ範囲:P.471 - P.476

 福岡市の人口は約130万,その健康を守る病院は大小合わせて129を数える.その中に極めてユニークな設立主体の病院がある.名称を社団法人福岡医療団千鳥橋病院という.
 社団法人福岡医療団は約30年前,筑豊の炭鉱が相次ぎ閉山に見舞われて大量の失業者が出た際,彼らを救済し,その健康を守ることを目的に発足,昭和40年に福岡民主診療所を開設する.そして3年後には病院化し,千鳥橋病院(52床)を開院,以後増床を続け,診療所開設後10年で266床の病院にまで発展する.更に福岡医療団は昭和58年に長期5か年計画を策定し,医療の拠点となるセンター病院構想を実行,昭和60年,現在の病院(549床)が誕生した.

日本医療法人協会の新たなる発展を期して 日本医療法人協会第九代会長 本多徳児氏

著者: 深瀬邦雄

ページ範囲:P.478 - P.478

 日本医療法人協会は桑名昭治前会長の辞任に伴い,本年1月28日の理事会で本多徳児氏を第9代会長に選出した.氏は昭和20年に大阪帝国大学医学部を卒業,弘前大学医学部助教授を経てのち,昭和44年,宮城県角田市に医療法人(財団)本多友愛会仙南病院を設立,院長として病院経営に努力されてきた.福島県立医科大学第1外科前教授で,本多記念東北循環器科病院院長の本多憲児氏は氏の兄上にあたる.
 氏のこれまでの病院団体における歴史を振り返ると,まず昭和33年の角田市医師会理事を皮切りに,全日本病院協会では昭和43年から理事,常任理事,副会長を務められ,現在は顧問として御活躍中である.また日本医療法人協会においては昭和51年から理事,常任理事,副会長を歴任,特に財団委員会の委員長として全国の財団医療法人病院の意見を収集されるとともに,その税改正に向けて努力されてきた.

今日の視点

医療ソーシャルワーカーの業務と資格制度化問題

著者: 高橋紀夫

ページ範囲:P.479 - P.483

ある日の業務から
 暖冬といっても,信州佐久の朝は厳しい冷え込みである.足早に玄関を入り,医療相談室の自分の机に座ると,外の寒さがまるでうそのようだ.ボランティアがいれてくれた熱いお茶を飲むと仕事への意欲がわいてくる.今日も忙しい一日になりそうな予感がする.
 「おはよう」.買物袋を下げたFさんがいつもどおり,にぎやかに相談室に入ってきた.彼女は41歳.現在内科に入院中で,Mワーカーの受持ち患者だ.毎朝のように相談室にやってきては,あれこれしゃべってゆく.単身生活なので,Mワーカーをずいぶん頼りにしているようだ.こうした患者は少なくない.筆者が受け持っている精神科のOさんもその一人で,今日も午前中に来室することになっている.彼は47歳.長い入院歴を経て,5年ほど前にようやくアパートを借りて単身生活を始めた人だ.しかし,日常生活がなかなかうまくいかず(例えば生活費のコントロールや女友だちとのトラブルなど),その都度筆者のところに相談にやって来る.彼の今日の用件は,「福祉事務所の担当者から内職を勧められているが,自信がない.どうしたらいいのか?」という話になるはずである.最終的にはOさんの意志に任せるしかないのだが,筆者としては消極的アドバイスにならざるを得ないだろう.

辛口リレーエッセー 私の医療論・病院論

病院の自浄作用

著者: 安藤静男

ページ範囲:P.514 - P.514

 前々回の本欄の執筆者・品川信良先生(現・青森県立中央病院長)は,私が青森県厚生連大三沢病院長時代の昭和29年当時,弘前大学産婦人科の助教授であられ,非常にお世話になった.朝鮮戦争終結後まもない青森県三沢市は,日本の上海ともいわれ,混沌とした世情のなかにあったが,それにもかかわらず,品川先生は,教授就任の直前まで,快く当院の産婦人科の指導を引き受けてくださった.
 前回の丹野三男先生には,「将来の都市型病院のあり方」を教えられた.氏は同時に,全自病・日病会長諸橋芳夫先生の「病院論」の深い理解者でもあった.

病院管理の現場から 看護最前線

救急外来の看護記録

著者: 鈴木久子

ページ範囲:P.515 - P.515

 最近,救急外来の看護記録に変化がみられる.8時間の勤務時間内に行った看護内容を考察した記録が行われるようになってきたのである.「考察」するということは,看護診断,目標の設定,看護計画に至る過程を踏んで看護を行い,それを記録に残しているということに他ならない.
 日本救急医学会理事長の杉本侃氏は,救急医療における看護婦の役割として,次の5点を挙げている.

味わいエッセー 出会い

死との出会い

著者: 池田貞雄

ページ範囲:P.516 - P.516

 自分の死との出会いはたった一度しかない.しかし他人の死との出会いは私共医療人にとって何度でもある.大学の医局時代からその後の数年間は,癌などの不治の病に倒れた人が多かった.開心術の初期にはいわゆる手術に成功しても患者さんが助からなかったということが多かった.消化管の縫合不全も助からなかった.この時期では救命し得ないという状態での死であり,主治医にとっても比較的に平静でいられたし,また家族の人たちも納得される場合が多かった.救命を試みたあげくの結果であり,ある程度必然でもあった.
 それから20年を経た現在,私の出会う死は,いかに自分の患者に死を迎えさせるか,どのような形が適切であるのか,病院でか,在宅のままでか,と形を変えてきてしまった.圧倒的に多くは脳血管障害の末期であり,老衰でもある.心臓,脳の急性死でもなければ,癌の慢性死でもない.

医療従事者のための患者学

"患者心理"を理解する(その1)

著者: 木村登紀子

ページ範囲:P.517 - P.521

 前号2回にわたり,"患者学"の視点から見たコミュニケーション論,および医療従事者と患者とのコミュニケーションの具体的問題点について,仁木久恵教授に解説していただいた.
 ここで,本シリーズの全体としての成り立ちおよび各構成部分のねらいを一応整理しておこう.事柄の性質上図解できるものではないが,しかし文章によってのみ説明するのも難しい.この"患者学"で何を試み,各構成部分がどのように位置づけられるかについて,筆者の模索的構想を取りあえず図に示してみよう.

ルポ&インタビュー 病院アレコレ見聞録

地域の医療ニーズに応える—医療法人仁生会細木病院 細木秀美理事長(院長)に聞く

ページ範囲:P.522 - P.526

 病院の経営環境の厳しさが話題になるとき,決まって引き合いに出されるのが高知県のことである.人口10万対の病院数および病床数は全国平均の2倍以上でトップに位置し,とりわけ,高知市を含む中央地区2次医療圏は3,000床のオーバーベッドという状況なのである.それに加えて,全国有数の高齢者県であるから,おのずと受療率は高く,平均在院日数は長くなり,したがって,1件当たりの医療費も相対的に高くなる.完全に悪循環に陥っているのである.
 そんな高知市にあって,民間病院としては第2の規模(611床)をもって地域医療に取り組んでいるのが,医療法人仁生会細木病院である.前身は,1946(昭和21)年に開設された「細木診療所」で,戦後の日本の医療の歩みを,共に歩んできたことになる.

建築と設備・38

コ-ジェネレーションシステム

著者: 牧村功 ,   前川賢司 ,   大森文夫

ページ範囲:P.527 - P.534

コ-ジェネレーションシステムのQuestions & Answers
Q1 コ-ジェネレーションとは,どういう意味ですか?
A1 Co-generationの文字どおり,オイル,石炭,天然ガス,バイオマス燃料のような一次燃料源より,2種類の有効なエネルギーを連続的に得るシステムを言います.このエネルギーは狭義(一般的)には,電力エネルギーと熱エネルギーを指します.

検証・日本医療の論点

医師所得は高すぎるか?—1980年代の医師所得変化の実証的研究——①

著者: 二木立

ページ範囲:P.536 - P.543

●はじめに
 近年,医療費抑制・病院経営悪化あるいは税制改革との関連で,医師の高所得に対する関心・批判が改めて高まっている.中医協「医療経済実態調査」の結果が発表されるたびに,開業医の一般勤労者に対する高所得ぶりがマスコミを賑わすだけでなく,最近は厚生省サイドから,病院経営悪化の主因は勤務医の高給与であるとの新たな主張もなされるようになっている.
 筆者は,わが国の医師の高所得は1960年代の医師不足時代に生じた歴史的現象であり,今後の「医師過剰時代」の到来に伴い,医師の所得水準が低下することは避けらないと考えており,5年前の本誌上では,2000年以降の医師所得の「均衡レベル」を,①勤務医の給与水準は一般勤労者の2倍,②開業医と勤務医の所得格差は1.5倍と予測してもいる1)

お知らせ

特集病院経営近代化のためのホスピタル・マーケティング

ページ範囲:P.543 - P.543

〔目次〕
序.あるホスピタル・マーケティング研究会
1.ホスピタル・マーケティングの基本概念

精神病院・地域ケアのための組織づくり

「札幌デイケアセンター」のできるまで—地域組織づくりの観点から

著者: 伊東嘉弘

ページ範囲:P.544 - P.547

●はじめに
 「札幌デイケアセンター」は,精神科リハビリテーションの一環として,本年2月16日札幌市白石区に開設された独立型のデイケア施設である.施設の概要は表および図のとおりであるが,開設まもないこともあって,現在の職員数や通所者の数は表の数には到っていない。職員数は間もなく充足されることになっており,また開設当時からすでに20人ほどの通所希望者があり,以来,逐次診察や面接相談,更には主治医との連絡を進めて通所者を決定しており,定期的な通所者は次第に増えつつある.
 当センターのデイケア事業についてはまだ報告できるものは何もないが,このセンターができるまでの経緯には,地域組織づくりの観点からみて何がしかの意味があるものと考え,ここにその概要を書きとどめておくことにしたい.

厚生行政を読む

人・物・金・情報

著者: 厚生行政研究会

ページ範囲:P.548 - P.549

はじめに
 世の中は人・物・金で動くといわれている.病院運営とて例外ではない.増大する患者ニーズに質的にも量的にも対処するためには,とにかく「人」と「物」の充実は欠かせないが,「金」についてはそういうわけにはいかない.収益以上の投資が続けば病院は潰れてしまうのである.潰れてしまえばニーズへの対処どころの話ではない.病院を潰さないために「出るを制して入るを図る」の経営哲学を忠実に実践しようとすれば,おのずと出し惜しみせざるを得ない.それどころか「人」と「物」を量的に充実させるための「金」のやりくりに四苦八苦しているのが多くの病院の実情であり,「人」や「物」の質的充実はおろか,ともすればこれらを量的にも削らざるを得ない場合すらあるのである.「金」の要素が不安定な現状にあって,病院の活力に危機が訪れようとしている.打開策はないものであろうか.

統計のページ

—昭和62年病院看護基礎調査より—基準看護承認状況

著者: 奥村元子

ページ範囲:P.550 - P.552

 昭和63年4月の社会保険診療報酬の改定では基準看護特III類が新設された.これは,病棟単位の承認,当該病棟の平均在院日数の規定,入院日数による点数の逓減制など,病院・病棟の機能別再編成と長期入院の是正という政策的方向性が具体的な形をとったものと受け取れる内容である.
 昭和62年10月に日本看護協会が会員の勤務する全国の病院を対象に実施した「病院看護基礎調査」によれば,回答を寄せた2,671病院のうち,77.8%が基準看護承認を受けている.

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「風信」欄投稿募集のお知らせ

ページ範囲:P.552 - P.552

本誌では本年度より「風信」欄を設け,病院における新たな試みを伝言板的に紹介することに致しました.(例:リハビリテーション施設の新設,糖尿病教室の開催,訪問看護の実施,その他)
 他の医療機関では既に実施されていることであっても,自病院で新たに取り組み始めた試みをお知らせ願えれば幸いです.

医療・病院管理用語ミニ辞典 病院管理

老人病院/裂孔原性網膜剥離

著者: 小野丞二

ページ範囲:P.553 - P.553

 一般病院のなかで,主として老人慢性疾患患者を収容する病院を一般に老人病院といっている.老人病院は正式には特例許可老人病院と特例許可外老人病院の2つに分けられている.
 特例許可老人病院(老人病棟のみの病院,または老人病棟とそれ以外の病棟が併設されている病院のいずれをも含む)とは,次の要件,すなわち①老人病棟には老人慢性疾患患者以外の患者を3割以上収容しないこと,②1看護単位を1病棟として取り扱うものであること,③老人病棟においては,ベッド,廊下,浴室等について老人慢性疾患患者の療養に資する配慮が望ましいこと,④従業員数の算定は次によるものであること(医療法に定める医師,看護婦および准看護婦等の定数を緩和して介護に重点をおき,介護職員を必要かつ適切な数としている)を満たし,都道府県知事の許可を得ている病院である.この特例許可老人病院には,常時寝たきり等の状態にある老人患者の診療に適した老人診療報酬点数表が適用されている.昭和62年の特例許可老人病院数は766で,高齢化現象を反映して徐々に増加傾向を示している.

病院管理トピックス 手術室

手術看護記録と継続看護/最近マスコミを賑わした薬の副作用

著者: 岩本昌子

ページ範囲:P.554 - P.556

◆周手術期看護の概念と看護記録
 近年、米国のAORN (Association of Operating Room Nurses,手術室看護婦協会)が提唱した"周手術期看護"の考え方が発展してきた.
 従来,手術室看護婦の業務は主として直接介助としての手洗いと間接介助としての外回りであり,"外科医の手伝い"という感が強かった.しかし,最近ではその役割は技術的なものだけではなく,術前,術中,術後を包括した看護活動を実施するという方向に拡大してきている.すなわち,看護過程の概念を導入し,全経過を通じて,個別的かつ継続的な看護活動を行い,手術患者の安全,早期回復への援助を図ろうというものである.そのため,手術室看護には手術患者の状態を的確に捉え,報告する責務があり,手術看護記録の意義は大きいといえる.

時評

在宅支援活動の在り方を考える

著者: 斎藤芳雄

ページ範囲:P.557 - P.557

 平成元年度の政府予算案は,好況による税収の伸びに支えられて,近年にない大型のものだと聞く.厚生省関係をみても,特に老人福祉関係予算の伸びが著しく,老人ホームのショートステイ(短期保護事業)の拡充,デイサービスの拡充,家庭奉仕員の拡充が目立つ.おかげで,我が大和町でも,4月から家庭奉仕員が1名増員される.
 今回は,我が大和医療福祉センターが実施している主に高齢者に対する在宅支援活動,特に医療人にはなじみのうすい「デイサービス事業」についてふれながら,今後の在宅支援のあり方について私見を述べてみたい.

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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