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特集 病院の福利厚生
病院の福利厚生はこれでいいのか
著者: 高木紹夫1 上林三郎2 西中正久345
所属機関: 1深谷赤十字病院 2聖路加国際病院 3全国病院労務管理学会 4全国病院労務管理学会事務局 5東京都病院協会
ページ範囲:P.581 - P.588
文献購入ページに移動医療に必須の"豊かな心"を育むために,病院福利厚生の充実を
はじめに
福利厚生に関しては,日本赤十字社の場合,本社には本社なりの計画があり,内容は豊富であるが,職員数4万5,000名を擁する事業体の福利厚生事業としては必ずしも満足のいくものではなく,大企業に比べれば足もとにも及ばないというのが実情であろう.その原因は,要するに財源が少ないためであり,もう一つは,職員にいかに心豊かな生活を提供すべきかという熱意が組織的に欠如しているためであろう.したがって,病院における福利厚生に関しては,各病院がその個性に応じて企画し実施しているのが実情であろう.
筆者は当地(埼玉県深谷市)の保健所運営委員をしているが,毎年報告される福利厚生面の事業内容はまことに立派なものである.しかし,一つの事業計画に予算10万円などというものもあり,ほとんど活動不能に近い.それでも計画は実施されたものとして年度が終わっていく.要するに,事業計画は単に見られるための計画となっているのである.忌憚なく言えば,日本赤十字社本社の事業計画にしても,努力はするものの,やはり夢を描いたもので,目標点は遙か彼方にある感じである.これは現状ではいかんともしがたいものであろう.
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