icon fsr

文献詳細

雑誌文献

病院48巻7号

1989年07月発行

文献概要

時評

大学病院問題と総合診療科

著者: 宮森正1

所属機関: 1川崎市立三田病院

ページ範囲:P.649 - P.649

文献購入ページに移動
 いささか旧聞になるが,国民医療総合対策本部「中間報告」の「大学病院における医療と研修の見直し」は,国公立私立を問わず全国の医学部から猛反対を受けた.厚生省にとっては医療費消費の総元締めと考えている大学病院に,診療報酬での制御と医学教育の上での批判をしたかったのであろう.確かに大学病院の医療,教育に対する「中間報告」の指摘は医科大学にとって耳の痛いことであった.いわく,「教育,研究,診療が混然一体となって実施されている」,「研究優位の姿勢からくる過度の専門指向や検査指向型の診療傾向」など,大学関係者には気に触る分だけ当を得ていたとも言うべきである.
 これに対し,大学側は病院の最終医療機関としての役割,医の倫理,専門的医療の重要性,医師教育機関としての役割など,建前の論理に終始して押し切り,結局,大学病院の紹介外来制の一部導入という影響のない形に落ち着いた.しかし,指摘されたような問題がなくなったわけではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら