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文献詳細

雑誌文献

病院49巻2号

1990年02月発行

文献概要

主張

医療の公共性とは

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.109 - P.109

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 医療の公共性を検討する場合,私どもは医療の社会的態様について考えなければならない.一般的に,医療は,生活水準等社会的条件に左右されるが,社会福祉,社会保障の充実,さらには医療水準の向上は,国民が包括的に享受する権利としてよりも,個々人の満足度として認識されると思われる.医療の変革が叫ばれている現在,過去のわが国医療の変遷を顧みつつ,今後の医療の公共性について考えてみたい.
 わが国の医療施策は,明治7年の医制が公布されたことにより開始されたが,医療施策の中心は急性伝染病対策であり,医療の実態としては,警察行政的色彩が強かった.その後,慢性伝染病や精神障害者に対する施策が行われたが,国民一般に対しての施策ではなかった.昭和13年には厚生省が設置されたが,その後の医療は,軍事体制下における富国強兵としての施策が中心であり,公共性のある医療を目的としてはいなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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