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文献詳細

雑誌文献

病院49巻2号

1990年02月発行

文献概要

医療を囲む声 病院の視力・聴力・感性

金持ち日本の貧しさゆえに

著者: 矢口光子1

所属機関: 1社団法人・農村生活総合研究センター

ページ範囲:P.159 - P.159

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人間として診ると損する医療体系
 医者は患者を人質に,教師は子どもたちを表面上は人質にしているから,人質の本人も家族も大層礼儀正しい.蔭でほめられ,感謝されている医師や教師のほうが少ないかも知れない.それに気付かぬ医師や教師もこっけいに見えるが,裏で悪口を言っても解決にはつながらない.この双方を結ぶことはできないか?と考えていたら,本誌の昨年奇数月に健康・医療ガイドセンター(松原氏)の活動が紹介されており,先見性と必然性があり,ただし金もうけにはつながらぬこの事業がよくスタートしたものだと感心した.
 今の医師は人間をまるごとみることをしない.と言うより病気を診ているので,人間扱いをしていないドクターのほうが増えつつある.その理由は,医学の発達は専門分化に重点をおいて評価され,国民全体も○○の専門家というと尊敬し,医学も医療費(例えば点数制)も治療中心に成立っているので,その方向を強めざるを得ないのだろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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