文献詳細
文献概要
特集 グルメ時代の病院の食事
病院食事のなぜ
著者: 篠田よし1 中村丁次23 下田尾洋4 山下茂子5 戸崎千恵子6 宇井美代子7
所属機関: 1大森赤十字病院栄養課 2聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院栄養部 3聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院内科 4東京都立広尾病院栄養科 5水俣市立総合医療センター栄養科 6君津中央病院臨床栄養科 7聖路加国際病院栄養科
ページ範囲:P.225 - P.232
文献購入ページに移動はじめに
病院の適時給食は,患者サービスとして,また完全喫食対策として考えられ,社会一般の食事時間に近づけること,栄養生理上の理にかなっていることを目的としています.しかし近年増加傾向にある慢性疾患は,習慣病といわれ,食生活習慣を正しくすることが,重視されてきています.日常生活の基本となっている,食事時間を正しくすることは,生活を正すことになり,治療より根本的なことであるので,サービスというより食事療法の一環として行うべきことだと思います.また習慣病の原因の1つとして,社会的諸環境条件が質・量共に加速度的に急変し,生活が忙しくなったため,人間本来がもっている体内時計による,1日24時間周期のリズム(生体リズム)による生活ができにくくなり,社会的リズムを重視した不自然な生活があげられています.したがって,病院の食事時間の設定に当たっては,患者個々の生体リズムを基本とし,気候,風土性,歴史性,民族性,習慣,体質などの条件にも配慮して,1日24時間の治療日課の基本として決めるべきだと考えます.
掲載誌情報