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文献詳細

雑誌文献

病院49巻4号

1990年04月発行

文献概要

特集 在宅ケアと病院

家族の立場から在宅ケアに望むこと

著者: 藤原房子1

所属機関: 1日本経済新聞社婦人家庭部

ページ範囲:P.309 - P.312

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在宅療養の増える背景
 病人がどこで療養をするかという問題は,何よりもまず病人自身の安心感や快適さを念頭に置きながら,病気の治療や回復を優先して考えるべきだが,そうはいっても病人を取り巻く医療の供給側の事情や,家族・家庭の事情,国の経済をはじめ病院の財政,家計の都合など,せちがらい条件がさまざまに絡んでくるという現実がある.
 「社会的入院」という言葉に象徴されるように,昨今は家庭の事情で入院を余儀なくされるケースが増えている.高齢者を世話する家族にとっては,老いた親が老人ホームで暮らしていると言うよりは病院にいると言ったほうが,親戚や近所の手前かっこうがいい,といった事情なども働いて,入院期間が長期化する傾向が注目されるようになった.これは昔から無いわけではなかったが,家庭の恥とひたかくしにしていた.近年はそれが隠しようもなく,さまざまな事情で顕在化している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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