病院管理の現場から 看護最前線
継続看護と看護記録
著者:
板橋玲子1
所属機関:
1三戸中央病院
ページ範囲:P.517 - P.517
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前回(2月号)は,当院における看護管理の概要を述べさせていただいた.そのなかでも触れたように,当院看護局の目的は,「地域の住民のために最良の看護サービスを提供すること」である.これを具現化する1つの手段として,私は常々,看護計画と看護記録の充実を図らなければならない,と考えていた.それというのも,8年前のままの経時的記録では,どうしても医師の指示を中心とした記録になりがちで,優れた看護が行われても記録に現れてこないからである.それだけにとどまらず,無計画な看護をうける患者側としては,余分な規制を強いられることにもなりかねない.常に患者の立場にたって看護が展開されて,初めて看護の効果があるというものであろう.
そんな考え方に立ってPOSの導入を決めたのは1982年の春だった.まず最初に,婦長,主任全員を数回にわたってPOS研修会に派遣し,次いで,各セクションから委員を選出,婦長を委員長とした.そして,毎月1回の委員会を重ね,年に一度は,教育委員会との合同学習会をもってPOS的思考に基づく事例検討会を行ってきた.