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雑誌目次

雑誌文献

病院5巻2号

1951年08月発行

雑誌目次

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日本病院學會創立を祝す

ページ範囲:P.3 - P.6

 本誌は發刊以來病院經營についてあらゆる角度から企畫し,各方面のかくれた研究者の研究を紹介して來た。幸い全國病院人から豫期以上の共鳴を得て,ここに2週年を迎えるに至つた。今日まで,病院研究の唯一の雑誌であり,且つ唯一の權威ある發表機關の役割をはたして來た。勿論本誌の發刊は時代の要望に合致したものであつた事は當然であつたろうが,この雑誌の成長については,編集陣と病院側との氣合が合い,而も何處までも進歩的な學究的態度を失わなかつたことにもあると思う。
 偖,愈々6月24日日本病院協會が創立されるに當り,翌25日には日本病院學會が創立され,全國的に病院研究の同志的結合がなされた事は,本誌の從來の主張がここまで發展した事であつて,感激の念を禁じえない。この第1回の學會に發表された演題は21題に過ぎなかつたが,病院經營學という特異な對象であり而も初めての發表會であつたに不拘,21題の出題があり,而もその内容が既に學問的體形をなしつつあり,何れも聽衆に耳を傾けしめたことを思うと,この學會の將來に大きな期待がかけられるものであり,而もこの學會が,日本病院協會の事業の一つとして取上げられ,日本の病院の心からの支持を得て出發した事は,この學會が唯の學問の爲の學會でなく,病院の利益に,社會の利益に直結しているという基盤に立つているから,その將來の發展は期してまつべきものがある。

社團法人日本病院協會定款(昭和26年5月)

ページ範囲:P.7 - P.12

第1章 名稱
第1條〔名稱〕この會は,社團法人日本病院協會(JA-PAN HOSPITAL ASSOCIATION略稱 J.H.A.)という。

米國の病院を巡りて

著者: 加藤豊治郞

ページ範囲:P.13 - P.19

 筆者は先般1950年夏から秋にかけて約3ヵ月餘の間久振りに米國各地の大學及大病院の視察の旅に上つたが,夏休にかゝつたのと期間の短かかつたとに拘らず,米國政府當局の周到な斡旋によつて一通りの視察をすることが出來た。筆者に課せられた此の旅行の本來の目的は專ら米國に於ける内科學の臨床並に研究両方面の輓近の進歩を視察するにあつたので,病院の管理其他のことは充分に視る暇もなかつたのであるが,「病院」編輯當局の下命に從い,旅行中の各地の病院に關する見聞の若干を述べてみる。病院管理に關することは筆者と行違いに彼國に赴き,この方面に關して専門的に視察せられた守屋博士等が仔細に記述せらるゝことゝ思われる。

病院經理の基礎知識(3)

著者: 山元昌之

ページ範囲:P.20 - P.24

III 損益計算書の觀察
 損益計算書についても,貸借對照表の場合と同じように,各種の觀察法がある。病院經營の合理化を考えるには,この損益計算書を完全に觀察することが第1歩であると云つても過言でない程,この觀察は重要である。

中小都市綜合病院の分割建築(1)

著者: 大須賀矢薙

ページ範囲:P.25 - P.30

 本題に就いて申述べる前に,當然日本に於ける中小都市に建設される病院の形態,即ち「ゼネラルシイステム」か「オープンシイステム」か,又は兩方の合成か,等に就いて論ずべきでありますが,これは稿を更めて述べることとし,ここでは「ゼネラルシイステム」即ち綜合式のものに就いて述べる。
 本邦中小都市の鋼筋「コンクリート」造,綜合病院計畫の建設に就いて,實務にたすさわる建築士として,その實例を參考に少し申し上げてみたいと思う。

ELEMENTS OF THE GENERAL HOSPITAL—綜合病院の要素

著者: 米國公衆衞生局病院課 ,   島內武文

ページ範囲:P.31 - P.36

手衞室群
(24)50床綜合病院の手術室群
 手術室群は,無菌的操作を行うために,行き止りにしておく。入口を多くする事により,往來を區分して,混雜を少くすることが出來る。

病院診療所原價計算要綱試案の解説—醫療報酬のあり方と考え併せて

著者: 橋本壽三男 ,   加倉井駿一

ページ範囲:P.37 - P.44

 醫療の原價汁算は原價計算のうちで最も困難なものの一つであろう。然し現下の社會状勢からみて是罪なしとげなければならないものの一つであることは何人も否めないところと思う。
 最も適正であるべき公的に定められた醫療報酬さえ「現にいくらかゝつているか」を知らずにその基礎を一部の人達の感に依存していることは悲しむべきことである。醫療如く深く且つ廣いものが,一般製造工業のように簡單な手段をもつて計算出來るとは考えられないし,又それ程正確であることも困難であろう。唯こゝには,誰もが一應うなづける醫療費の原價を算出することが可能であつて,これを推進強化してゆくことが社會保障制度の確立を前に目下の急務であることだけを強調したい。推進,強化のためには一人でも多くの人々に興味をもつて頂くことが何より大切である。將來この一小册子が捨石となつて醫療にふさわしい原價計算の生れる時が來るならば幸これに過ぐるものはない。

病院人事消息

ページ範囲:P.45 - P.45

◇泉  仙助氏 金澤大學醫學部附屬病院長秋元波留夫氏が辭任したので氏が後任病院長に就任。同附屬看護婦學校長を兼任。
◇柳  壯一氏 北大醫學部外科學教授の氏は最近國立相模原病院々長に就任。

東京病院協會だより

ページ範囲:P.46 - P.47

A.日本病院協會定款起草委員會及設立準備委員會 日時 5月12日 出席者地方委員20名東京側11名
 内容 定款の審議を終へ設立總會及學會等の會場其他招待者の範圍等について協議し,總會場は湯島聖堂に,學會場は國立東京第一病院内研修所と決定。

編集後記

ページ範囲:P.48 - P.48

 病院管理の歴史の1頁を飾る「日本病院協會」の設立總會は6月25日,青葉かおる湯島聖堂において,盛會裡にひらかれた。
 北は北海道より九州に至る多數の病院からの出席者に狹い會場はあふれるほどであつた。是非とも本號に總會の模樣を報じたかつたのであるが,速記その他の關係で次號に廻さざるを得なくなつたことをお詑びする。本號には祝辞,協會役員,定款,などをとりあえず掲載した。

管理者メモ

醫療法疑義照覆

ページ範囲:P.44 - P.44

1.病室の疑義について
◇福島縣照會 有床診療所に於ては入院患者を48時間をこえて收容してはならないことになるのであるが
(1)工場事業場に於ては附屬診療所の病室を休養室と名稱變更し相當期間患者を收容すべく屆出するものもあり,この取扱方に關し些か疑義が生じたので何分の御指示煩したい。
(2)診療所醫師が家族に下宿業を營ましめ(又は自宅の一部離れ等)要入所患者を收容し往診の形式を取ることの是非について問合せがあつたが,以上の如き患者を對象とする場合は病室として取締るべきものと解せられるが,併せて回報煩したい。

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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