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病院の經營診斷と合理化實例
著者: 田中要人1
所属機関: 1經營能率研究所
ページ範囲:P.4 - P.10
文献購入ページに移動私は先般,某市長の委囑で,或る都市の公立病院の經營診斷を行つたがそれ迄にも,醫院,病院の經營については相當調査研究して居たが組織的に病院の經營,施設,醫務管理,營業,診療,病棟管理,調剤,購買,炊事,會計,勤勞,材料管理,庶務と綜合的にやつたのは始めてであつた。だが病院の經營診斷は日本では始めてではないと思う。處で,この病院の診斷の結果を綜合してみると,その缺陥は,一般の病院にも見られるものが大部分である。開業醫では黑字の處が多いが,病院殊に公立病院になると赤字が多いこと,開業醫なれば自分の資本,自分の經營であるから經濟の運營が自らの行動といき方で,どうでもなるが病院殊に公立になると醫師は從業員で院長の經營の不合理から,經營者の意途が全體に通らず,又はつきりと示されないために旨く行かないといつた事は共通の傾向であろう。然し,一面このために病院の方が開業醫よりも速く治癒するという事もある。之は病院では良い藥を(惡く云えば採算を考えないでも)使おうとするが,開業醫は少しでも患者を引張ろうとすることと,少しでも安い藥を使おうとする傾向からでもあろう。
今,病院では(勿論醫院にも關係はするが)健康保險の點數の1點10圓には随分と悩まされているようである。原價は1點が18圓になるといつた説も出て居る。之が病院經營のガンでもある。こういう點も加わつて相當赤字の處が多い。何とか打開策を講じないと困るのではないか。
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