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文献詳細

雑誌文献

病院50巻13号

1991年12月発行

文献概要

精神科医療 総合病院の窓から・9

老人医療にかかわってみて

著者: 広田伊蘇夫1

所属機関: 1同愛記念病院神経科

ページ範囲:P.1094 - P.1095

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私は安楽死したい
 本文を記しているのは9月15日,敬老の日である.そこで今回は趣きを変え,老人介護・医療にふれてみる.勤務する同愛記念病院の敷地内に,同じ財団の運営する特別養護老人ホームがある.地域の要請も強く,設置されたのは1年半前である.入所者は100名,これにショート・ステイの受け入れが8名,加えて1日に15名程度のデイ・ケアが行われている.現時点で要介護老人は全国でほぼ130万人,痴呆性老人は軽重さまざまであろうが約100万人かと推定されている.もっとも,この8月の「高齢者対策に関する行政監察結果(総務庁)」は,この数値が正確なものではなく,より的確な実態把握を厚生省に勧告している.とはいえ,この推定値からすれば,筆者の関与するホーム入所者は波打つ稲穂の数粒程度である.が,この数粒の場でも考えさせられることは多い.
 特別養護老人ホームの対象者は身体的,精神的障害をもっ65歳以上の,常時の介護を要する人々である.そこでデイ・ケア来所者のほとんどは,地域を巡回するホーム専用バスを利用している.同伴する家族には女性が多い.同伴者は入浴をはじめとして,日常介護の手法をみようみまねで少しずつ身につけてゆく.老人介護に関する出版物や講演会などでは,ついぞ得ることのない体験を重ねるわけである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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