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MSWの相談窓口から
病院と地域社会のあいだ—患者移動のアプローチ
著者: 沼尻香代子1
所属機関: 1東京厚生年金病院医療社会事業部
ページ範囲:P.1104 - P.1104
文献購入ページに移動 患者の退院問題は,病院ソーシャルワーク草創期からの課題であった.しかし現在は,「退院計画:Dis-charge Planning」という専門ソーシャルワークの新しい機能として重要な課題となってきた.それは,高齢者のベッド専有率との関係において,経営管理的側面における①医療保険制度からの制約による在院日数の短縮,②在宅医療促進による外来部門での重症患者のケア,③病院の機能別の規格化,④病院の老人施設化防止等,医療体制の変化や地域医療計画の中で変革を迫られている病院の状況に関係している.一方地域の側では,①退院後の生活にQOLを求める患者や家族の生活の質的変化,②大都会や都市化地域での,地価高騰による住宅問題,③住民の流動化,近隣関係の稀薄化により孤立して暮らす高齢世帯や単身者等,地域の連帯的な人間関係から疎外された人々や地域構造の問題があり,社会的入院が増加している状況との相関関係の中で突出してきたものである.
従って,医師から退院の許可が出されても,自宅へ退院するのが困難な患者が急増し,保険制度の監視下にあるからといって,病院が,一方的に退院をすすめれば,人権問題に発展する危険すら含んでいる.
従って,医師から退院の許可が出されても,自宅へ退院するのが困難な患者が急増し,保険制度の監視下にあるからといって,病院が,一方的に退院をすすめれば,人権問題に発展する危険すら含んでいる.
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