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建築と設備・74
院内搬送システム
著者: 辻野純徳1 小室克夫2 三村澄夫3 松浦覺45
所属機関: 1有限会社UR設計 2聖路加国際病院建設本部施設課 3(株)昭和設計 4前兵庫県立淡路病院 5現兵庫県立成人病センター
ページ範囲:P.525 - P.531
文献購入ページに移動病院が高機能化し,専門化と総合化を目指す中で,合理化,経済性の追求が絶えず行われてきた.カルテなど医療情報の中央化やサービス部門の中央化と統合は急速に進み,それを支える物品の管理と供給のシステム化および搬送の機械化が急務とされてきた.現在SPD (Supply Pro-cessing and Distribution)と呼ばれる方式は,1960年代に米国の病院で数々の合理化を実現してきたGor-den A.Friesenの提唱によるものである.そして1969年には米国のフェアファックス病院でアムスカーと呼ぶ無人搬送車が,'70年にはカナダのイートビコーク総合病院でACT(オーバーヘッドコンベア)など大規模な搬送設備が導入された.また,’72年7月の米国の建築誌にHer-man Miller's Co-Struc Systemが「10年の研究の成果として実用化」と紹介され,それぞれ注目を集めた.
欧米に遅れること20年,1960年頃からわが国でも気送管やベルトコンベアの導入が始まった.しかし病院全体のシステムとしての積極的導入までにはもう少しの時間が必要で,原素行先生の提唱による中央滅菌材料室の確立が浸透し,サービスの中央化が促進されたことが引き金となった.
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