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雑誌目次

雑誌文献

病院52巻11号

1993年11月発行

雑誌目次

特集 病院の長期療養サービス

長期療養と病院経営

著者: 天本宏

ページ範囲:P.968 - P.973

はじめに
 「長期療養と病院経営」というテーマを「老人医療」という切り口から論じてみたい.今「老人医療」という言葉はすべて慢性期の老人医療を想定して語られている.そして急性期の老人医療は今までの医療で「良し」として放置されてきている.これは「間違い」であるという立場から論じてみたい.社会サービスの入口の整理は全くなされず,歴史的に振り返ってみても,昭和37年措置対策として老人福祉法が制定され,特別養護老人ホームが先ず誕生したが,平成3年福祉八法の改正がなされ,より普遍的な施設として生まれ変わろうとしている.しかし,老人保健施設,老人病院との役割分担などのすり合わせは一切されておらず,社会サービス全体の中での整合性に欠ける.また医療の歴史においては社会的入院患者の増加に伴い老人病院が自然に誕生し,急速に増加していき,疾病保険としての社会保険の財源に大きく喰いこんでしまった.その老人医療費の適正化のために老人病院制度が診療報酬の制度の中に誕生し,現在に至る.未だ,老人保健施設,特別養護老人ホームとの役割分担などについての整合性について論じられていない.また老人保健施設の誕生は,老人病院と特別養護老人ホームに同じような要介護老人が入所,入院しているにもかかわらず,サービス,負担が異なるのはおかしいということで,医療と介護サービスを同時に提供できる仕組みとし,生活費は自己負担していく制度として誕生した.

療養型病床群の今後の展望

著者: 竹川節男

ページ範囲:P.996 - P.998

療養型病床群とは
 療養型病床群制度は,平成4年7月1日付けで改正された医療法において初めて規定された病院病床に関するカテゴリーであり本年4月1日から施行されている.その趣旨は,人口の高齢化等に対し,医療施設機能の体系化の一環として,人員配置,構造設備等において,主として長期にわたり療養を必要とする患者を収容するために,ふさわしい療養環境を有する一群の一般病床を療養型病床群として許可するとしたものであり,この許可は病院の申請に基づいて行う.
 人員配置は特例許可老人病院に準じており,特に入院医療管理料については人員配置,点数ともに特例許可老人病院と全く同一である.構造設備等に関しては病室の床面積は患者1人につき6.4m2以上で病室の病床数は4床以下とし,廊下の幅は片廊下で1.8m以上,それ以外は2.7m以上でなければならない.また40m2以上の床面積を有する機能訓練室と食堂,談話室および浴室を整備することも規定されている.ただし平成5年4月1日の時点ですでに開設許可を受けている病院の病床を転換する場合には,経過措置として病室の床面積は患者1人につき6.0m2以上が確保されていればさしつかえないもので,また機能訓練室の床面積の規定もなく,談話室,食堂,浴室は必ずしも設置する必要はない.

ケアミックスの現状と将来

著者: 小林武彦

ページ範囲:P.999 - P.1003

ケアミックスの定義
 平成4年4月の診療報酬改定により,一病院内に基準看護病棟と介護力強化病棟が制度上混在可能となった.元来ケアミックスとは,一病院内に単に急性期病棟と慢性期病棟が混在することである.しかし,ここで言うケアミックスとは急性期医療を担当する出来高払い制の基準看護病棟と,慢性期医療を担当する定額払い制の入院医療管理病棟〔介護力強化病棟〕という医療内容,および診療報酬体系の異なる病棟を一病院内に併せ持つことを意味する.
 一般病院がケアミックスを行う場合には,大体2つの大きな傾向がある.1つは医療内容・看護体制とも急性期を主体とした基準看護取得済み病院が,院内に点在する慢性期老人入院患者を一病棟に集めて,大部分を急性期基準看護病棟として,一部を介護力強化病棟にする場合である.一方,名称は一般病院であるが,内容的には慢性期老人入院患者が多く,付添婦のいる病院が,一部を基準看護病棟とし,その他大部分を介護力強化病棟とする場合である.

人はどこで亡くなるのが最も幸せか

新潟県大和町における「死に場所づくり」

著者: 斎藤芳雄

ページ範囲:P.950 - P.952

はじめに
 私は哲学者でもなければ,宗教家でもない.一介の医者にすぎない.しかも,我が国の一「地方」(いなか)に陣取った一介の実践家でしかない.
 だから,私はこのテーマで,何か一般的な「人間の死に方」について哲学的・宗教的な考察をするつもりはない.また,「死にざま」について論じるつもりもない.

死の看とりと長期療養の場の課題

著者: 山崎摩耶

ページ範囲:P.954 - P.957

はじめに
 本特集は「病院の長期療養サービス」である.企画の意図は長期療養の施設体系の整備と,そのサービスの質の向上という課題について各方面から焦点をあてて論じる,ということのようである.その一つとして筆者に課せられたのは,「人はどこで亡くなるのが最も幸せか」というテーマである.
 「どこで亡くなるのが幸せか」という問いは,いとも個人的な問題であり,その人・個々人の人生観や死生観に左右され,またはその臨死に至った状況と条件によっても異なってくる.しかし,現実にはターミナルケアは,高齢化社会の医療・看護・介護になげかけられた大きな課題である.なぜならば,94%もの日本人が「畳の上の死」を求めている(82年内閣総理大臣官房老人対策室・ついの看とりに関する調査)にもかかわらず,今や施設死は8割と圧倒的多くの市民が病院で死を迎えているのである.

患者の重症化と入院の長期化

救急医学の立場からみた患者の重症化と入院の長期化

著者: 益子邦洋

ページ範囲:P.958 - P.961

はじめに
 我が国における救急医療体制は,厚生省から昭和39年に発表された「救急告示病院等を定める省令」と,昭和52年に発表された「救急医療対策事業実施要綱」とにより,ほぼ完成をみて現在に至っている.24時間,365日ベースで救急患者に対応する救急告示病院と,これを補完する形での初期,二次,三次救急医療体制により,いつでも,どこでも,誰でも,病状に対応した救急医療サービスが受けられるようになったのである(図1).その結果として,従来の医療体系の下では到底救命しえなかったような重症救急患者が次々と救命されるようになり,我が国の医療福祉の向上に大きく寄与したことは広く認められているところである.しかしながら,頻死の重症患者が救命され,身体的かつ精神的に社会復帰していくためには,最新かつ高度の集中治療と,アフターケアに関するさまざまな領域の医療,そしてリハビリテーション医療とが有機的に結びついていることが必須であり,このプロセスにはそれ相当の期間を要することもまた事実である.また一方では,適切な初期救急医療により心肺蘇生に成功したとしても,脳虚血から脳死状態や植物状態に陥り,社会復帰など望むべくもない患者もまた数多く存在する.

長期入院患者の疾病構成

著者: 三宅祥三

ページ範囲:P.962 - P.966

 武蔵野赤十字病院は実働病床数567床(伝染病棟60床を含む.現在の許可病床数は717床である)である.第三次救命救急センターとして救急医療にも積極的に取り組むいっぽう,一般診療でも可能な範囲において高度医療を行っている三多摩地域の基幹病院である.このような急性期病院では,どのような患者さんが重症化し長期入院せざるをえないかを解説したい.

在宅ケアと病院の長期療養サービス

佐久総合病院における在宅ケア活動

著者: 井益雄

ページ範囲:P.974 - P.977

 長野県厚生連佐久総合病院は,長野県東部の南佐久郡臼田町にある1,036床の地域中核病院である.
 当院は若月俊一院長が1945年に赴任時にはベッド数20床の小病院であった.この年以来一貫して農山村とくに山間へき地に出向いての地域医療を展開してきた.

福岡県および三野原病院における老人訪問看護ステーションの現状

著者: 三野原厚 ,   藤澤智恵美

ページ範囲:P.978 - P.981

 近年我が国は,平均寿命の延長と出生率の減少により急速に高齢化が進んでいる.それに伴い,寝たきり老人等要援護老人の増加がみられる.過疎地では特にその傾向が強い.一方,核家族化や住宅の小型化,共働き等,在宅での療養ができにくい社会環境ができており,その結果,本人の意志に反し病院入院や,施設入所をせざるをえないのが現状である.現在,各自治体で進められている老人福祉計画は,高齢者が住み慣れた地域で安心して生き続けられる社会環境作りとして,国民に大きな期待を持たれている.この計画の中で老人訪問看護ステーションは,ヘルパーがデイケアと共に,在宅支援サービスの三本の柱の一つとして位置づけられているものである.
 本論では福岡県における老人訪問看護ステーションの現状を報告し,次に本院における老人訪問看護ステーションの現状と将来について概説する.

京都南病院における在宅ケアと長期療養サービス

著者: 三上勝利

ページ範囲:P.982 - P.984

 306床の当院は京都市の下京区にあり,この他に同じ下京区に97床の老健施設と訪問看護センターと在宅介護支援センターおよび3つの診療所,右京区に1つ,伏見区に2つの診療所を有している.今年創立40周年を迎えるが,当院での在宅ケアや各種の長期療養サービスは,もともと患者サービスとして意図されたものではなく,地域の急激な高齢化の中で,地域の中核病院として,その機能を維持するために,必要性の中から産みだされたものである.したがってこの論文では,先ずその辺の実情を説明し,その後で在宅ケアや長期療養サービスの内容に言及したい.

在宅医療サービスの互酬制を求めて

著者: 辻彼南雄

ページ範囲:P.985 - P.987

はじめに
 高齢者の増加と最近の疾病構造の変化は,医療提供者に入院医療と外来医療に加え,訪問医療の再認識を求めてきた.そして,各地で訪問医療のさまざまな試みが行われ,それぞれの成果をあげてきている.
 そのなかで,ライフケアシステムのユニークな点は福祉介護サービスの世界では一般化している相互援助の組織(互酬制)に,日本で初めて訪問診療を中心とした保健医療サービスを取り入れたことであろう.

民間在宅ケアサービスの実際

著者: 馬袋秀男

ページ範囲:P.988 - P.992

はじめに
 当社が在宅ケアへ取り組むきっかけとなったのは,1988年の米国サービスマスター・ホームヘルスケア社との業務提携であった.また,当社の理念である“喜びのタネをまこう”の実践活動として具現化すべきサービスであると判断したことにある.
 そのような背景のもと,1989年3月に東京都杉並区の河北総合病院との提携により,杉並区を中心にサービスを実施しているトータルホームヘルスケアサービス(THHS)と,1990年3月より目黒区,世田谷区などで展開しているダスキン在宅ケア城南の2つの営業拠点にて現在サービスを実施している.

熊谷市の訪問看護事業

著者: 山崎望人 ,   冠木徹彦 ,   佐川尚夫

ページ範囲:P.993 - P.995

はじめに
 熊谷市は昭和63年,厚生省の「訪問看護等在宅ケア総合推進モデル事業」のモデル都市として指定された.熊谷市医師会は高齢化社会への将来的展望のもとに,本事業の主導的立場に立つて,在宅療養者に対する医療・福祉・保健の3つを連携させた包括医療の方向を探ることが最大の課題と判断し,積極的に本事業に参画した.
 熊谷市は福祉部に「在宅ケアセンター」を設置してこれに当たった.モデル事業の期間は当初の2年間にさらに1年間の延長が認められ,おおかたの満足すべき成果を得ることができた.モデル事業終了後も熊谷市は市単独事業として訪問看護事業を続行し,平成4年10月には地方公共団体としては埼玉県下最初の「熊谷市老人訪問看護ステーション」として指定を受け,平成5年1月に発足し今日に至っている.

グラフ

あたたかみのある高度医療を目指して開院した—山形県立日本海病院

ページ範囲:P.941 - P.946

5番目の県立病院
 私たちが山形県立日本海病院(一柳邦男院長)を訪ねたのは9月27日,ちょうど新羽田空港が開港した当日だつた.一昨年完成した庄内空港のおかげで,新幹線・高速道路網が未整備な庄内地域へのアクセスは格段に向上した.羽田—庄内間はジェットで50分の距離だ.
 当院は,最上川河口の北側に発展した酒田市の中心から7〜8km,川の北岸に近接して病院用に新たに造成された10万2千m2の広々とした用地に建てられている.診療・検査・管理・業務部門を2階建ての低層棟に中央化,病棟を3〜7階の高層棟に配した2層構造で建築面積は3万8千m2.何よりも興味を引くその名称の由来は,次のように説明されている.

医療センターを真に「インターナショナルなセンター」にする 国立国際医療センター総長 高久史麿氏

著者: 浦部禺夫

ページ範囲:P.948 - P.948

 自治医大血液学教授,東大第三内科教授,東大医学部長を歴任した高久史麿先生については,造血幹細胞や造血因子研究の第一人者,細胞工学や遺伝子治療にも造詣の深い内科学の泰斗,あるいは医療行政の大実力者などと,形容する言葉だけでも枚挙にいとまがない.先生は東大医学部長にひき続いて国立病院医療センター院長の要職に就かれたが,医療センターはこの10月から国立国際医療センターとして新たな発展を遂げることになった.臨床と研究の中心としてばかりでなく,医学面の国際協力なと,日本の医療の中心として活発に活動するセンターとしての使命を負うことになったのである.医療センターのこの昇格も先生の御尽力によるところが大きいことはいうまでもない.
 高久先生といえば最近ではテニスの達人として聞こえが高い.テニスは東大教授時代に始められたのであるが,今では大学のテニス部出身者以上の腕前になっておられる.何事も究めてしまわれる熱意にはただ頭が下がるばかりであるが,すべて先生の努力の賜物である.

主張

病院給食論議

著者:

ページ範囲:P.949 - P.949

 医療保険審議会が「給食費や室料などの給付のあり方を見直すべきだ」という中間報告を公表してから,にわかに病院給食の問題がクローズアップされてきた.これに対して早速栄養士会や病院界の一部より反対の意見が出された.反対の論拠はおおむね入院給食は医療の一部であるからこれを患者負担にすれば医療の現場が混乱する,とするものである.しかし,この論点では自己負担の是非論にはなり得ない.もともと医療にかかるコストが正当なものであれば何らかの形で受診者が全額支払うのが当然である.その支払いの多くの部分が相互扶助の観点から保険料や公費で賄われている.もちろん医療にかかわる自己負担はできるだけ少なければ少ないほど良いにきまっている.しかし,社会保障費の負担を公平に分担する一方,給付における公平も維持されなければ社会的不公平が助長されることになる.このことは老人医療費における負担と給付のアンバランスにも見られており,将来必ず世代間の不公平感が現実のものとなりそうである.
 この問題で朝日新聞有岡編集委員のインタビューに答えた村瀬日医会長の見解は非常に明解であり正論である.病院給食の自己負担論議の際にはいかに医療における負担の公平さを保つかを考えて行うべきであり,単に医療費の財源問題として是非を問うのも間違いであり,また従来の既得権的考え方にも問題がある.

特別寄稿

MRI(磁気共鳴装置)導入・利用の日米比較—日本でのハイテク医療技術と医療費抑制との「共存」の秘密を探る(1)

著者: 二木立

ページ範囲:P.1004 - P.1008

はじめに
 アメリカやヨーロッパでは,技術進歩,特にハイテク医療技術が医療費増加の主因であり,これを規制しない限り,医療費のコントロールはできないとする見解が根強い1).事実,医療費高騰に悩むアメリカで,ハイテク医療技術がほとんど無制限に導入されているのに対して,アメリカに比べれば医療費水準が低いヨーロッパ諸国では,ハイテク医療技術に対する厳しい規制策が実施されている2)
 しかし,日本では事情は全く異なる.国民医療費のGNPに対する割合は,厚生省の厳しい医療費抑制政策の結果,1980年度4.9%,1990年4.7%とほとんど凍結されている.この水準は,アメリカの12.2%は言うまでもなく,ヨーロッパ諸国の平均7.5%に比べてもはるかに低い3).それにもかかわらず,多くのハイテク医療技術(機器)はアメリカをも上回って急速に普及し続けている.

医療パラダイムの形成と脳死社会[その1]—脳死概念を中心に

著者: 秋葉聰

ページ範囲:P.1009 - P.1015

はじめに
 今日のアメリカにおける先端医療がもたらす脳死・臓器移植産業は,巨大な資源が集約的・体系的に投下された「医療パラダイム」を形成している.それは,移植技術の進歩,免疫抑制剤の開発と適用,臓器・組織の収穫を営むOPOs(Organ Pro-curement Organizations)の出現と組織化,臓器の質的管理とその規制,レシピエントとドナーの情報と臓器配分の便宜をはかる全国ネットワーク(UNOS=United Network for OrganSharing)の設置,民間保険企業および連邦政府の医療費・医薬費負担制度の成立,収穫した臓器・組織を「国民の財産」とみなし売買を禁止する倫理規制と臓器移植法の成立,臓器不足の解消をはかる戦略としての病院への各種義務化,コーディネーターを含む脳死・臓器担当の専門家の確立などから構成される国家的事業である.医療技術,法律,倫理,経済,政治力が総導入された,医療の歴史に例を見ないパラダイムといってよい.
 それは,脳死概念が可能性を切り開いたパラダイムで,本稿はこのパラダイムを包括する社会を「脳死・臓器移植社会」(以下,脳死社会とする)と規定し,人間の生命に関する価値観の転換に起因する二重・三重の複雑な矛盾が交錯し,多くの複合的な諸問題を内包するアメリカの脳死・臓器移植の断面を,本号と次号の2回にわたって考察する.

退院計画 病院に求められる新しい機能・4

退院計画におけるソーシャルワーク援助の実際—退院後のニーズのアセスメントとサービス活用促進を中心に

著者: 渡辺姿保子

ページ範囲:P.1016 - P.1020

はじめに
 ソーシャルワーカーは,患者家族の医療サービスの活用の促進を担っているが,その中でも,退院に向けて様々なサービスにつなげることは重要な役割である.今回は,退院計画のプロセスにおいて,退院後のニーズのアセスメントをふまえて,様々なサービス活用に患者家族を結びつける援助をソーシャルワーカーがどのように行っているかについて報告する.また,病院による退院後のサービス提供の試みについても紹介したい.

建築と設備・91

岩手県立宮古病院

著者: 大野勝 ,   松重宏和

ページ範囲:P.1021 - P.1026

敷地・プログラム
 宮古市は,岩手県の東部に位置し宮古広域生活圏の経済,文化の中心的役割を果たしている.
 このたび県内医療施設の充実を計るため,宮古病院を,地域の一般医療,特殊,高度医療および第二次救急医療の対応,並びに公衆衛生活動の拡大等地域に密着した中核総合病院として位置づけ,移転新築をはかることとなった.

病院経営Q&A・22

帳票管理

著者: 川渕孝一

ページ範囲:P.1027 - P.1029

 Q 当院には,あまりにも多くの帳票があり,実際どれだけの帳票があるのか誰も把握していない.また随分多くの帳票が重複しているように見える.どうすれば効果的に帳票管理ができるかこ教示いただきたい.

厚生行政展望

医療活動とコカコーラ・ライン

著者: 厚生行政研究会

ページ範囲:P.1030 - P.1031

 10月1日,国立国際医療センターが発足し,我が国の国際医療協力も新しい時代を迎えた.「国際医療協力」という言葉の響きはいいが,その当事者にとっては命を賭けた闘いであり,それなりの覚悟が必要な活動分野である.国際協力事業団へ海外からの訃報が届くのは日常的なことである.日本ほど,日常の死亡確率が低い国は他にないわけであるから,日本の外で活動することは,活動地域の人々の死亡確率の低下には貢献できるかもしれないが,自らの死亡確率については,それを上げに行くことにほかならないのである.

老健Now・5

社会福祉法人独立型の経営

著者: 小山秀夫

ページ範囲:P.1032 - P.1033

平成4年4月の療養費改定により,老健施設の経営は,おおむね順調だと言われている.全国の老健施設の収支状況については「平成2年老人保健施設経営実態調査」が直近の資料であるが,改定後の収支状況については,不明である.そこで今回は,社会福祉法人独立型の収支状況を詳細にみてみたい.一般的に併設型より独立型の方が収支状況が悪く,社会福祉法人独立型は利用料収益に制限があるため,医療法人立より経営が苦しいように思う.しかし,平成2年度の調査結果は,この逆の数値を示した.さて,ケーススタディの結果は?

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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