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特別寄稿
MRI(磁気共鳴装置)導入・利用の日米比較—日本でのハイテク医療技術と医療費抑制との「共存」の秘密を探る(1)
著者: 二木立1
所属機関: 1日本福祉大学
ページ範囲:P.1004 - P.1008
文献購入ページに移動アメリカやヨーロッパでは,技術進歩,特にハイテク医療技術が医療費増加の主因であり,これを規制しない限り,医療費のコントロールはできないとする見解が根強い1).事実,医療費高騰に悩むアメリカで,ハイテク医療技術がほとんど無制限に導入されているのに対して,アメリカに比べれば医療費水準が低いヨーロッパ諸国では,ハイテク医療技術に対する厳しい規制策が実施されている2).
しかし,日本では事情は全く異なる.国民医療費のGNPに対する割合は,厚生省の厳しい医療費抑制政策の結果,1980年度4.9%,1990年4.7%とほとんど凍結されている.この水準は,アメリカの12.2%は言うまでもなく,ヨーロッパ諸国の平均7.5%に比べてもはるかに低い3).それにもかかわらず,多くのハイテク医療技術(機器)はアメリカをも上回って急速に普及し続けている.
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