文献詳細
文献概要
病院管理フォーラム
[放射線]検査の後に「どうだったでしょうか」
著者: 宮内兼義1
所属機関: 1東京医科大学霞ヶ浦病院放射線科
ページ範囲:P.184 - P.184
文献購入ページに移動毎日の,業務をこなしていると検査終了時に患者さんからよく尋ねられる.「何かありましたか」「どうだったでしょうか」.検査が終われば直ぐにでも結果が聞きたいのは,患者ならば誰しものことであろう.こう尋ねられたときに決まり文句のように「まだ写真が出来ていないんですよ.夕方には,検査結果をお回し致しますので結果は先生のほうから聞いて下さい」と,検査中CRTに写し出された病巣を頭に浮かべながら,申し訳なさそうに答える.
最近の技師教育では,医師が行う診断のための読影とはその目的は異なるが,検査精度の向上を目的とした読影が出来なければならないとされ,良い検査を求める技師は,進んで読影の勉強をしている.検査の終了時には,だいたいの検査結果が頭に入っており,行った検査について正常か異常かを指摘することは,それほど困難ではない.しかし,技師としては患者に対して診断につながるようなことは言ってはいけないし,そのような状況から安全に逃れるために検査結果が出ていないということにして,その場をとりつくろうのである.
掲載誌情報