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文献概要
麻酔医が往く・3
蘇生術と麻酔医
著者: 後明郁男1
所属機関: 1箕面市立病院麻酔科
ページ範囲:P.271 - P.271
文献購入ページに移動現在の麻酔学の本質は,何らかの大きな侵襲に曝されている人の,急性期の全身管理学である.人を眠らせるだけが商売ではない.とするなら,ごく短い経過で生じた心肺停止とその回復が,麻酔学にとって重要な研究テーマの一つであることは,容易にご理解いただけましょう.大学によっては,麻酔科の看板を麻酔蘇生科に変えたところもあるくらい.蘇生を専門に研究している学術団体である「日本蘇生学会」の会員も,大多数が麻酔医である.
ここまで認識いただいているかどうかは分からないが,蘇生術と麻酔科には何やら親密な関係があるらしいことは病院内で広く知られていて,蘇生術が必要と思われる事態が発生すると,全部とは言わないが,多くは麻酔科に連絡が入る.麻酔医としても自分の仕事と思うから,何はともあれ,おっとり刀で駆けつけることになる.
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