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特別寄稿
英国のナーシングホームにおけるケアのクオリティアシュアランス—監査の実際
著者: 荒井由美子12 岩崎榮3
所属機関: 1英国バーネット地区保健局公衆衛生 2慶応義塾大学医学部精神神経科 3日本医科大学医療管理学
ページ範囲:P.525 - P.528
文献購入ページに移動本稿の目的は,英国のナーシングホームにおけるケアのクオリティが,国家レベル,地区レベルで,また,日常レベルでいかにコントロールされているかを考察することにある.はじめに留意すべきは,英国におけるナーシングホームの言葉の定義である.日本語の老人ホームという言葉は,英語のレジデンシャルホームという言葉とナーシングホームという言葉の両方の意味を包含した形で用いられている.一般的に,レジデンシャルホームは,介護は必要であっても看護が必要でない入所者を対象とするのに対し,ナーシングホームは,看護婦によるケアが必要なより重症な入所者を対象としている.
英国における65歳以上の人口の総人口に占める割合,つまり高齢者人口の比率は,1951年から1990年までの間に13%から23%に増加している1).65歳以上の者全体の医療および介護施設への入所者はわずか3%であるが,85歳から94歳の者では19%,95歳以上の者では51%にも達している2,3).
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