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文献詳細

雑誌文献

病院53巻11号

1994年11月発行

文献概要

MSWの相談窓口から

県境ソーシャルワーカーを20年

著者: 佐藤和子1

所属機関: 1海南病院相談室

ページ範囲:P.1057 - P.1057

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キーワードは住所と年齢
 ほとんど毎日といっていいほど,高齢者の退院についての相談に応じている.入院時に全員面接ができないかわりに,入院案内にアンケート様式のチェック表を折り込んでいる.回収された中で少しでも不安を感じている人に対して,早期のベッドサイド面接を行う.項目は4項目,「医療費」「保険制度」「家族の生活」「退院後」である.「退院後について」不安・心配という項目にチェックをつける患者・家族が増えている.病院での入院期間に限りがあるという情報が行き届いているせいか,早くから心配だと相談にくる人もいる.いずれにせよ,設備の整った病院から何も準備していない家庭へ移る時は,患者と家族も支援する我々ソーシャルワーカーもかなりのエネルギーを必要とする.
 私の勤務する病院は県境に位置する.木曽川をはさんで三重県,岐阜県の市町村がある.東方面に十数キロ行くと名古屋市.病院は海部郡という小さな11の町村の中の1つにある.当然,福祉サービスの内容が,県ごとに異なっている.相談室を訪れる人たちにまず尋ねるのは,名前ではなく住所と年齢である.この2つのキーワードがないと情報が出てこない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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