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建築と設備・97
順天堂医院新本館の設計
著者: 伊藤誠1
所属機関: 1足利工業大学
ページ範囲:P.571 - P.576
文献購入ページに移動天保9年(1838年)佐藤泰然の創設した蘭学塾順天堂は,明治8年(1875年)あとを継いだ佐藤尚中の手により湯島の現在地に移されて順天堂医院となった.尚中はその頃「洋医界の泰斗」1)として大学東校大博士に任ぜられている.3代佐藤進は外科学の第一人者として西南戦争(明治10年)で大きな働きをしたが,その時の一挿話をまとめたのが渡辺淳一の出世作『光と影』2)である.
第二次大戦後いちはやく,専門学校だった順天堂の大学昇格に尽力したのが第4代佐藤達次郎で,その名を記念した病棟が3号館である.大学の付属病院に発展した今日でもこの輝かしい“医院”の呼名は変えていない.
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