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特別寄稿
精神医療の回顧と展望—自治体病院の立場から
著者: 道下忠蔵1
所属機関: 1石川県立高松病院
ページ範囲:P.56 - P.61
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①戦後精神科医療の主なエポック
戦後の精神医療を振り返って,まず,私の頭に浮かぶのは次のようなことです.
井上正吾先生をはじめ軍医として戦地へ行かれた諸先輩が帰ってこられ,それぞれの病院で取り組まれた第1が,民主化と開放医療でした.その代表的なものが,国立肥前療養所の開放医療でしょう.次が精神科医療における向精神薬の導入です.第3が昭和31〜32年の厚生省の社会局による第2種病院問題でした.これは精神科医挙げての反対で実現しませんでした.しかし,これを長い時間軸でみますと,いかがなものかといった感じもありますが,これも話をすると際限ありませんので,指摘するにとどめます.
①戦後精神科医療の主なエポック
戦後の精神医療を振り返って,まず,私の頭に浮かぶのは次のようなことです.
井上正吾先生をはじめ軍医として戦地へ行かれた諸先輩が帰ってこられ,それぞれの病院で取り組まれた第1が,民主化と開放医療でした.その代表的なものが,国立肥前療養所の開放医療でしょう.次が精神科医療における向精神薬の導入です.第3が昭和31〜32年の厚生省の社会局による第2種病院問題でした.これは精神科医挙げての反対で実現しませんでした.しかし,これを長い時間軸でみますと,いかがなものかといった感じもありますが,これも話をすると際限ありませんので,指摘するにとどめます.
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