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文献詳細

雑誌文献

病院54巻2号

1995年02月発行

文献概要

主張

ボランティア精神ということ

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.121 - P.121

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 ボランティアの導入を考える医療機関が多くなりつつある.その狙いは様々であろう.現在の医療機関をとりまく環境,特に定員制度や診療報酬の方法などから,医療機関が組織としてその目的の達成のための活動には不十分な点があり,それを何らかの方法で補正しようということがある.最近出された国立大学の運営改善に関する検討会報告でも,病院運営改善の1つの事例として,地域社会とのつながりを深めるために,病院ボランティア制度の導入の例が紹介されている.日本病院ボランティア協会などの存在もあり,着実にその活動は病院の中で進んでいるようである.
 勿論,ボランティアが本来病院が責任をもって果たさなければならない活動の代替となるものであってはならないが,ボランティア活動を行うということは,それではどのような意味があるのだろうか.ボランタリーホスピタルという言葉がある.特別な志,篤志病院とも訳され,アメリカの病院のかなりな数がこの範疇に置かれているという.非営利病院,地域病院とも言われている病院のことであるが,これは地域の人々が自らの意志で病院をつくろうという考えをその起源とすると言われている.西部開拓の時に,新しい地域社会でまずつくられたのが教会であり,学校であり病院であると言われる.この篤志,ボランタリーという言葉は他からの強制ではなく,必要なものに対して自らが積極的に行動を開始するという意味であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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