icon fsr

文献詳細

雑誌文献

病院54巻8号

1995年08月発行

文献概要

厚生行政展望

X線100年と原爆50年

著者: 厚生行政研究会

所属機関:

ページ範囲:P.796 - P.797

文献購入ページに移動
 今年は,レントゲンがX線を発見して100年目にあたる.この100年,人類は貧欲に放射線を利用し,特に,医療への応用にあたっては数多くの命を救ってきたが,残念なことに,X線発見のちょうど50年後,広島,長崎において放射線は数万の生命を奪ってしまった.原爆の場合,爆心から数百mの範囲に散った放射線は生物学的影響が強い中性子線が主体であったが,遠方へ到達した放射線はガンマ線(X線)であり,医療機関で日常的に使用されているものと物理的性質は同じである.今夏は原爆投下50周年ということで,放射線利用の陰の部分が強調されているが,放射線被曝に対する不安が助長されすぎると,インフォームド・コンセントが普及するにつれ医療機関における放射線利用や被爆者医療が適切に行われなくなる虞が生じてくる.インフォームド・コンセントの大前提として,医療提供側は客観的な知識を有さなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら