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研究と報告
パソコンのみを用いた医事業務電算化
著者: 大久保恒正1 松下捷彦2
所属機関: 1高山赤十字病院コンピュータ委員会 2高山赤十字病院
ページ範囲:P.70 - P.73
文献購入ページに移動大規模病院においては,汎用機を中心としたフルオーダリングシステムや医事を中心とした医療情報システムが導入され,患者待ち時間の短縮をはじめとする患者サービスの向上,病院経営の合理化など多くの改善を図っている.フルオーダリングシステムに関しては,特に国公立病院においてその導入が顕著である1).しかし昨今の病院を取り巻く経営事情は年々厳しさを増し,特に地方中核病院にとってはなおさらである.本来営利を目的としない医療にあって,真剣に病院経営を考えなければならない状態になっていることは周知の事実であり,また病院経営を取り巻く環境が厳しくなってきていることも同様である.このような状況下の中で地方中核病院にとっての電算化の目的は,患者サービスの向上と同じかそれ以上に病院経営の効率化という点にあると思われる.国公立病院以外のいわゆる一般病院では,最先端の総合的な病院情報システムを導入し病院全体の効率化をはかることは,費用の面からして困難な場合が多く,むしろすでに多くの病院に導入されている医事システムの導入により業務改善をはかっている場合が多いと思われる.病院の医事システムは本質的な医療情報システムとは異なるものの2),一般病院においては今後総合的な病院情報システムへと発展するための足固めとしては不可欠な前提となるものと思われる.
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