文献詳細
文献概要
癒しの環境
病院における癒しの環境
著者: 高柳和江1
所属機関: 1日本医科大学医療管理学
ページ範囲:P.92 - P.93
文献購入ページに移動患者中心の医療といわれるもののうちで,医療提供者が提供する医療環境に注目してみよう.患者がここにいたら安心だとほっとし,元気になるような気がするもの,落ち着くもの等が本当の癒しの環境と考えられる.身体の病気に苦しんでいる患者は,当然のこと,社会的にも個人的にも病気による影響を受ける.精神的な痛手もある.必ず,心も病んでくるのだ.ここに,癒しの要素が入る.癒しがあると,心の痛手が和らげられ,免疫力が高まり,病気からの回復も早い.後天性免疫不全症であるHIV感染者の最初の治療は,ストレス管理からはじまるのである.ストレス管理により,AIDS発症を遅らせるのである.医療施設には,癒しの環境が必須なのである.癒しの環境は,本来包括的なものである.現在の病院に,どれだけ癒しの環境が認識されているだろう.まず,患者の環境に関する認識から分析してみよう.
掲載誌情報