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雑誌目次

雑誌文献

病院55巻2号

1996年02月発行

雑誌目次

特集 大学病院と関連病院との関係を問う

大学病院が期待するこれからの関連病院

著者: 細田瑳一

ページ範囲:P.122 - P.124

学生のニーズと関連病院
 私は東京女子医科大学に来る前は,自治医科大学におりました.そこでの経験から,関連病院を考えてみます.
 自治医科大学は私立ですが特殊で,全国の僻地医療を担うということで卒業生が全国の僻地に展開しており,また各出身都道府県に属しています.草創の頃は近隣の病院のほかには関連病院も無くて,地元大学の卒業生の中に入れてもらうか,さもなくば県立病院や市立病院等に県の強力な後押しで割り込むかしかなく,あるいは僻地の小病院に関連病院となっていただくかしかありませんでした.中には卒後数か月で僻地診療所での研修ということもありました.そういう中で,日本における病院や診療所での医療の在り方や全体の人員配置を考えました.

臨床研修制度の改善—特に大学病院と関連病院との連携について

著者: 吉田修

ページ範囲:P.132 - P.134

はじめに
 厚生省の[医療関係者審議会臨床研修部会臨床研修小委員会]は,「卒後臨床研修制度改善に関する現時点での考え方—今後の検討に向けて—」を発表した(1995年11月).それに先立ち,文部省の[大学附属病院における卒後研修の在り方に関する調査研究会]は「中間まとめ」を出した.ともに,現在の卒後臨床研修をよりよいものにするための意見であるが,新聞などは厚生省と文部省とが正面から対立しているように報じた.
 この重要な問題がこのように報じられることはまことに遺憾であり,真意が理解されていない点もあるようである.がしかし,もしこのような対立が存在するとすれば真摯なそして熱心な多くの議論が不毛に終わることになりかねない.今後充分に時間をかけて慎重な議論を重ねなければならないが,両者の協力体制の確立が何よりもたいせつであることをまず強調しておきたい.

大学病院・医局・関連病院

著者: 本誌編集室

ページ範囲:P.135 - P.138

医局の定義と目標
 全国に80ある医科大学にそれぞれ診療科目や講座毎に医局があり,研究・教育・診療に励んでいる.各大学には30ぐらいの診療科はあるだろうから,全体で2,000ぐらいの医局数ということになるだろうか.一方,市中の一般病院にも医局は必ずある.「医局」は単に部屋の名前だったりもするが,身分や所属を同じくする医師がグループで意思決定や活動を計画的に行なう場合も加えると,それこそこの世には無数の医局が存在することになる.
 しかしながら,通常「医局」と言えば大学病院の医局を指す.大学の医局は研究・学生や研修医の教育・大学病院の診療そして関連病院への医師の派遺と多機能ぶりを発揮する「多機能の複雑な組織」である.定義は明確にはできないが,医局の特徴は何と言っても人事機構であろう.学生を一人前の医師に育て,社会に送り出す,この間の医局員との間でなされるgive and takeをベースにした活動がすべて医局活動になる.したがって,人事を持たない医局は定義から外れると言ってよい.また,医局の目標は担当科目での専門医養成を通じ,質の良い関連病院,ポスト,学会,業会でのアイデンティティーの確立と勢力拡大と言ってよいかも知れない.

大学医局と自治体病院

著者: 小山田惠

ページ範囲:P.139 - P.141

はじめに
 私は1955年東北大学を卒業し,外科学教室に入局した.心臓外科を専攻し,1969年現在の病院に赴任して心臓外科の診療に没頭,1989年病院長に着任し現在に至っている.したがって大学医局での生活は30年も古い時代のことだから,医局についての認識も今の実情とかなり違うものであろう.本誌編集者から表題のような原稿を書くようにとの要請であるが,私には今の大学医局と医局制度を批判する資料もないしそのつもりもない.自治体病院の院長としての立場から大学医局との関係の在り方を述べて,その責を果たしたいと思う.
 さて激しく変動する現在の医療環境のなかで自治体病院の健全な運営と発展を図るために最も必要なことは,まず,病院運営の基本方針を病院職員のだれにでも判るようにつねに明確にしておくことと,病院の全職員が病院運営について細部にわたって共通認識をもって事業推進に努力することである.そのなかで,病院医療の主役である医師の果たすべき役割が大きいことは言うまでもないことであるが,その医師の志向が病院ではなく大学医局にとらわれていたり,病院医師の人事権が大学医局に従属していて採用はもとより転勤までも大学医局の指示でなされるようでは,病院の独自性ある発展などおぼつかないものである.

[座談会]大学病院と関連病院との関係は今後どうなる

著者: 大塚敏文 ,   石橋晃 ,   寺本成美 ,   山根至二 ,   大道久

ページ範囲:P.142 - P.151

 大道 本日は,大学病院と関連病院の関係は今後どうなるかという話題で,4人の先生方にお集まりいただきました.
 わが国では,大学病院で医師が養成され,そして周辺の医療機関にしっかり臨床の知識,技術,経験を身につけた方が出向いて,地域の医療を支えるというのが医療の基本的な仕組みです.大学の講座あるいは医局は,周辺の医療機関である関連病院と適切な関係を保って今日まできています.しかし,時代の大きな流れを受け,最近はその関係が変わってきているのではないか.さらに最近になって医師の養成の在り方を基本的に見直そうとする動きもあり,改めて大学病院と関連病院の今後の関係がどのようになるか強い関心を呼んでおります.

これからの医師の確保と大学病院

大学人と病院人との認識の差を問う

著者: 伊賀六一

ページ範囲:P.125 - P.127

はじめに
 我が国の病院が発展する過程で病院運営の核となる医師の人事について病院が関連する特定の大学への依存度はかなり高い.「関連病院」という言葉が定着している所以である.それが効果的に作用する場合は幸いであるが,逆の場合には病院の荒廃に関わる結果を招くこともしばしばである.
 特に今日の医学・医療の転換期に当たり,病院医療の質,言い換えれば,それを支えている医師の質が即,病院運営を左右し危機に繋がることもあり,背景に大学人と病院人との認識の差が要因の一つとなることも否めない.その意味で,今日の大学と病院との人事の在り方を基本的に見直し,将来への足がかりとすることは大学や病院にとってはもちろん医師一人一人の将来にとっても重要と考える.

若手医師育成の一考察

著者: 中山耕作

ページ範囲:P.127 - P.129

教育技術の検討を
 よく会社の人事担当の方などが,「優秀な大卒者を採っても,会社に入ったら教育のやり直しですよ.」と言っているのを聞く.これは,我が国の教育一般に言えることのようであるが,医学部においても,同様の感がある.医学部に入学する学生の能力は諸外国と比べても極めて高い.ところが,卒業時の臨床能力においては,総合的にみて勝っているとは言い難い.
 これは私たち関連病院も含めた卒前卒後教育にも問題があると言える.明治以来,西洋医学が次々に紹介されて来る中,専門的な研究に比べ,教える,教えられるといったことに関する論議はあまりなされなかった.そのため,教え方の工夫という分野は,先端技術の応用努力には及ぶべくもない.義務教育においては,授業計画が徹底的に議論されている.また,Jリーグにおいても,名将と言われる外国人監督は,その指導方法の徹底した研究の成果で,選手の個性を導き出し,同じ選手を使いそれまでとは全く別のチームに仕上げていく.各大学においても,その独自性を活かしつつ,今以上に教育技術について検討される場が増えることを期待したい.

必要な医師は自院で独自に育成する

著者: 眞栄城優夫

ページ範囲:P.130 - P.131

はじめに
 沖縄県は,戦後27年間,日本本土の施政権の及ばない特殊事情のため,本土にみられるような大学病院と関連病院との関係が築かれることはなかった.復帰後,1県1医科大学政策により琉球大学医学部が創設されたが,開学後もまだ日が浅く,他府県とは異なった様相を呈している.さらに,医療の過疎地で,バックアップする特定の大学を持たずに,地域の基幹病院として,患者中心の医療を実施し,必要な医療は自己完結しなければならないという特殊条件が,他ではみられないシステムによる沖縄県立中部病院の,独特の病院運営と医師確保の手段を生み出すに至った.これらの点について論述し,医師の供給源としての大学病院について考えていきたい.

グラフ

親切な医療をモットーに地域に待たれた医療を展開する—川口市立医療センター

ページ範囲:P.113 - P.118

□“キューポラのある町”に新病院
 “キューポラのある町”という映画がある.団塊の世代には懐かしい,市井人の生活を描き,社会正義,在日朝鮮人問題等を扱った,サユリスト(吉永早百合ファン)を多く生んだ映画である.その舞台となった“町”が,ここ川口.
 県南地域にこれまで無かった機能を備え,自治体病院として期待される機能を担っての医療センターの登場と,信頼に応える医療を実践しようというスタッフの思いとが相まって,予測以上の患者を集めている.

創立30周年を迎えた社団法人日本理学療法士協会会長 広島大学医学部保健学科理学療法学専攻教授 奈良勲氏

著者: 半田一登 ,   八木保

ページ範囲:P.120 - P.120

 多くの人間は歳とともに夢やロマンを失っていきます.白髪か目立つようになっても熱く夢を語れる人は魅力的てす,奈良勲氏はその代表的な一人と思っています.しかし,9年前の私の第一印象はそんなに良いものではなく,芒洋として覇気の無い感じでした.その後,日本理学療法士協会の会長としての彼の行動や発言を通じて私はしだいに彼の魅力の虜になっていきました.
 顔写真からは想像できないと思いますが,厳つい髭の下には可愛らしく憎めない幼児性が隠されています.日本最初の四年制大学の理学療法学専攻の教授とはとても思えない時があります.テニスをしているときの子どもじみた負けず嫌い,酒席での軽やかな意味不明のダンス,麻雀に勝った時の嬉しそうな顔等数えたらきりがありません.この幼児性もリーダーとして大切な素養です.

主張

特定機能病院と地域医療

著者:

ページ範囲:P.121 - P.121

 現在,すでに多くの大学病院の本院が特定機能病院に移行している.わずか数年の問で,大学病院と地域医療との関わりは,大きく変化したと言ってよいだろう.それは,いわゆる紹介率を30%以上に保つことが承認要件とされ,しかもわずかとはいえ診療報酬上も紹介率に応じて格差を設定されたことによると言ってよい.この間に大学病院が,地域の周辺の医療機関に連携協力病院として患者を紹介してくれるように働きかけをした努力は相当なものであった.専用の紹介状を作成して配布し,自院が提供することができる高度医療に関する情報を提供し,また逆紹介を行うために周辺の病院・診療所の対応可能な医療機能の調査を実施した大学病院も少なくない.
 このような活動が行われたことは,大学病院の歴史においても,また地域の医療体制の構築にとっても前例を見ない画期的なことである.これは,単に紹介率を達成して特定機能病院として承認されること,あるいはより高い診療報酬を得ることのみのために行われたというよりは,大学病院が,地域において患者が最終的に到達するセンター病院としての役割を担っていることを再確認し,現在抱えている多くの外来患者の医療の受け方を見直すよい機会であったと見るべきであろう.大学病院が地域医療との関わりに目覚め,意識改革が行われつつあると言っても過言ではないのである.

厚生行政展望

大学病院の弊害

著者: 厚生行政研究会

ページ範囲:P.152 - P.153

はじめに
 厚生省と文部省とが衝突している.厚生省は昨年11月に,卒後臨床研修の必修化を世に問う形で審議会の報告書を出した.一方,文部省の研究班は卒後臨床研修を必修化する必要性はなく現状のままで十分であるとの意見をまとめた.同じく11月に,中医協(中央社会保険医療協議会)は臨床治験期間中の患者に実施した検査,画像診断,投薬,注射料は保険を適用しないよう建議した.巷では厚生省(臨床研修指定病院)と文部省(大学付属病院)の縄張り争いだとの陰口がたたかれている.今回は大学病院の医局制度がもたらす弊害を中心に検討を行う.

対談シリーズ 介護問題をめぐって・5

地域医療と介護問題

著者: 鎌田實 ,   矢島嶺

ページ範囲:P.154 - P.162

地域で介護にかかわる視点
 矢島 私は診療所で地域医療を展開している立場ですから,介護の対象はとりあえず成人病やその後遺症を持っている中高年の人たちということになります.したがって,地域で介護する基本的な理念としては,老化に伴う体の変化は予防できない障害としてとらえることが多いということです.
 つまり,その障害を完全に治癒させることを最初から断念している.ですから,根本的には対症医療でやろう,あるいは対症的に障害に対処していこうという考えです.そうはいっても人間は直ぐには死ぬことはありませんので,障害を持つ人を地域で,時には医療から,時には福祉の面からサポートしていくということです.広義では「地域福祉」ということになり,私の場合には地域福祉の中の一部を医療が担当しているというとらえ方です.

連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第16回

都立荏原病院

著者: 鎌田整衸

ページ範囲:P.163 - P.168

計画経緯
 都立荏原病院が現在の場所で診療活動を開始したのは1934年であるが,第二次世界大戦後は伝染病院として広く知られていた.しかし,東京都南部地域は普通科病床も慢性的に不足した状態が続いたため,1954年以降順次,施設の拡充に努めてきた.そして,1985年には15診療科,病床数382床の総合病院として整備運営されるようになり,城南地域の医療に大きく貢献してきた.しかし,増築や改修の連続で病院内は迷路状態になり,機能上も使い難い施設となっていた.老朽化,狭隘化も著しくなり,都民の高度医療に対する要求に的確に応えることが困難な状態が続いていた.
 “マイタウン東京'85”の総合実施計画において改築計画が決定され,その後病院の整備方法の検討を繰り返し,“'89年東京都総合実施計画”において全面改築の方針が確認された.

インタビュー

ある町立病院の再生に向けて4年—満岡孝雄 大樹町立国民健康保険病院院長に聞く

著者: 満岡孝雄

ページ範囲:P.169 - P.173

 満岡院長が平成3年10月に大樹町立国保病院の院長に就任してから4年になる.北海道大学医学部を卒業後,出身地の長崎に戻り,地元の長崎大学病院の内科医から「新しい地で新しい地域医療を」と転身した経緯と,大樹町立病院での医療の実践についてうかがった.
 (1995年7月31日,大樹町立国保病院にて)

提案

二次三次救急医療体制の夜勤当直医師の過重労働解消と救急医療の質向上への提案

著者: 伊藤研

ページ範囲:P.174 - P.176

戦後—国民皆保険まで
 第二次世界大戦終結後,我が国の医療機能は戦災による医療施設の崩壊と物質不足,医師,看護婦をはじめとする医療従事者が不足の極に達していたことから,国民の健康維持と疾病治療のため,医療機関の復興が急務であった.
 1948年には,医療法が制定されて,我が国医療体制再建のため医療施設の拡充整備と医師および看護職員の養成確保が行われた.

訪問看護ステーション 実践レポート—北から南から

竹田訪問看護ステーションの現状

著者: 竹田秀

ページ範囲:P.177 - P.179

 財団法人竹田綜合病院では,1993年に「竹田訪問看護ステーション」を開設し,会津若松地域(福島県)において訪問看護を展開した.ここに現在までの活動の一端を報告し,これからの在宅医療,訪問看護の在り方を考える上での一助としたい.

病院管理フォーラム

[病院図書室]インターネットと病院図書室

著者: 谷澤滋生

ページ範囲:P.180 - P.185

インターネット再確認
 この一年余の間にインターネットは周く知られる存在となり,さまざまなメディアに取り上げられています.このような状況では,語り手,受け手それぞれがインターネットへのイメージを持ち,それが今回のような紹介的な記事を書く際には大きな障害になります.マルチメディアという場合に,その言葉の持つ広がりを思い浮かべていただけば,状況を理解いただけるでしょう.そこで,最初に私なりのインターネットを述べ,そこから話を進めます.
 インターネットを最も短く表現すると,「ローカル・ネットワークのパッチワーク」となります.大学,研究所,病院,企業や限られた地域内で利用されるネットワークをローカル・ネットワーク(LAN:Local Area Network)と呼びます.インターネットは,このローカル・ネットワークを相互に接続し,機関や地域といった従来のネットワークの境界を越え,今では500万台とも言われるコンピュータ同士を結ぶ巨大なネットワークを構成しています.しかし,実はこの表現ではインターネットの物理的な側面しか示していません.

[放射線設備・機器管理Q&A]診療用放射性同位元素使用施設の構造設備

著者: 諸澄邦彦

ページ範囲:P.186 - P.188

 診療用放射性同位元素使用室の構造設備の基準は,医療法施行規則第30条の8に述べられている.前号で述べたように,当該施設が放射線障害防止法の適用も受けるのであれば,非密封放射性同位元素使用施設として,放射線障害防止施行規則第14条の6の基準も併せて満足する必要がある.
 管理区域等に係る線量当量および排気・排水中の濃度限度の値は,病室についての規定が医療法だけに限られている以外は図に示すように同一である.また,事前に提出する診療用放射性同位元素設置届に添付する書類も,表に示すように,医療法,放射線障害防止法とも同じである.ただし放射線障害防止法では,放射線障害予防規定届けと放射線取扱主任者選任届けがそれぞれ30日以内に必要となる.

MSWの相談窓口から

キーワードは感性と人間観

著者: 奥村晴彦

ページ範囲:P.189 - P.189

ある患者面接の風景
 入院中の患者さんと面接をするべく病室に行ったが,不在であった.以前より情緒的に不安定で看護婦との折り合いも悪く,いつも独りでいることが多かった方である.
 よく屋上にいることがあったので尋ねていくと,夕刻でもあり,夕日が雲を真っ赤に染めながらビルの谷間に沈もうとする瞬間で,空のキャンパスに太陽の思いを大急ぎで描いたような夕焼けが広がっていた.そのようすを見ていた患者さんにすぐに声もかけられず,同じように眺めていると「何か用事ですか」と本当に穏やかに話しかけてくれた.

データファイル

中医協・診療報酬基本問題小委員会報告書

著者: 厚生省保険局医療課

ページ範囲:P.190 - P.192

はじめに
 高齢化の進展,医療技術の高度化等により,我が国の国民医療費は著しく増嵩しており,経済基調の変化と相俟って,医療費の適正化について総合的な対策を講じる必要性が高まっている.
 本小委員会はこれらの対策のひとつである薬剤費及び薬剤使用適正化の観点から,主として医薬品に係る診療報酬上の評価のあり方を検討するため,昨年11月に第1回会合を開催して以来16回の審議を重ねてきた.この間,本年1月には海外調査を実施し,諸外国における最近の薬剤費適正化の動向を把握するとともに,審議の過程において論点や報告書骨子を公表して,これらについて3回にわたって内外の医薬品業界の代表から意見を聴取するなど,審議の透明性を確保し,幅広い関係者の意見が審議に反映されるよう努めてきた.

臨床研修制度改善に関する「医療関係者審議会臨床研修部会臨床研修検討小委員会」の現時点での考え方ついて

著者: 厚生省健康政策局医事課

ページ範囲:P.192 - P.193

1.経緯
 医師の卒後臨床研修については,昭和43年の医師法改正でいわゆるインターン制が廃止されて現在の努力規定の形となって以来,「卒後臨床研修目標」の設定,「研修プログラム方式」の導入等内容の改善と充実が図られてきた.
 医療関係者審議会臨床研修部会は,平成6年6月より卒後臨床研修制度の抜本的改善について検討を行い,同年12月27日,「基本的には臨床研修を必修化するとともに,その内容等の改善を図ることが望ましい」とする意見を中間的に取りまとめた上で,このための「課題を検討しつつ,必修とすることの是非及び必修とする場合の具体的方法について,引き続き慎重に調査審議する必要がある」として,検討事項を明示した.

平成6年医師・歯科医師・薬剤師調査の概況(平成6年12月31日現在)

著者: 厚生省大臣官房統計情報部

ページ範囲:P.193 - P.198

□医師
 平成6年12月末における全国の届出医師数は230,519人であり,平成4年(以下「前回」という)に比べ10,815人,4.9%増加している.また,人口10万対では184.4人で,前回に比べ7.9人増加している.

医学ごよみ

2月—February 如月

著者: 木村專太郎

ページ範囲:P.199 - P.199

□3日 女性最初の“MD”
 1821年のこの日,女性としては最初の医学博士(doctor of medicine,略してMD)になったブラックウエル(Elizabeth Blackwell,1821〜1910)が,英国のブリストル(Bris-tol)で生まれた.
 彼女は12歳のときに家族とともに米国のニューヨークに移住し,その後,オハイオ州で成長した.

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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