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雑誌目次

雑誌文献

病院55巻3号

1996年03月発行

雑誌目次

特集 病院経営と医薬分業をめぐって

医薬分業の現状と今後の課題

著者: 石井甲一

ページ範囲:P.218 - P.221

はじめに
 医薬分業の基本理念は,薬剤の「選択主体」と「供給主体」を完全に分離することにより,純粋に医学的,薬学的な判断に基づく適正な薬物療法が確保され,もって患者に最適な医療を提供するというもの,と理解している.したがって,医薬分業がわが国に定着していくためには,このような理念が生かされるものでなければならず,生かされなければ国民から見放されることになろう.
 処方せんの受取率(医薬分業率)は,平成6年度には18.1%となり平成7年度には20%を超えるものと推定され,患者の5人に1人が医療機関から薬剤でなく処方せんを受け取っていることになる.このように医薬分業が進展してくると,医療費に与える影響,患者にとってのメリット等の観点から大きく注目されることとなり,単に医薬分業を進めるというのではなく,適正かつ良質な医薬分業の推進でなければ社会からの理解が得られないことになり,すでにその段階に来ている.

病院経営からみた医薬分業—薬価差益か院外処方か

著者: 谷田一久

ページ範囲:P.222 - P.225

 この稿では,院外処方について,会計的な見地から考察を加えてみる.日頃のコンサルティング活動の中で,「薬価差益がどの程度になれば院外処方への移行が経済的に有利か」といった質問を受けることが多い.おそらく多くの病院関係者が,院外処方を論じる場合,薬価差益を中心に考えようとしている.本当に薬価差益の多寡のみをもって院外処方に移行する否やの判断を下しても良いのだろうか.本稿では,院内処方の収益構造と,院外処方の収益構造を比較しながら,院外処方へ移行する際の留意点を指摘する.
 医薬分業の流れの中で,院外処方は実施の如何を問わず一度は議論されるべき問題である.その際に,読者諸兄に考えるヒントとなるような考え方を提供できれば幸いである.

急成長を続ける調剤薬局ビジネスの現状

著者: 川渕孝一

ページ範囲:P.226 - P.229

 本稿では,まず米国で急成長を続ける調剤薬局ビジネスの現状について述べた後,わが国でも企業化が進む医薬分業の実態とその課題について考察を加えることにする.

薬剤指導管理業務の現状と将来

著者: 齋藤侑也

ページ範囲:P.230 - P.234

病院と医薬品
 疾病構造の変化に伴う医療需要構造の変化から,医療の提供は量的充実から質的充実の時代になり,患者への医薬品の有効性,安全性など治療上で有用な情報の提供が求められている.また,薬理作用が強く,使用方法に注意を要する医薬品が次々に市販されており,医薬品の使用上の注意,複数診療科・施設受診による医薬品併用上での注意など,広い領域にわたっての薬物治療上での説明,医薬品の適正使用が一層求められている.
 一方,社会的に医療の流れが変化し,病院には入院患者を主体にした医療サービスの提供が求められている.そして病院の薬剤部門には,以前は病院経営上での薬価差益,市販にある製剤も院内で調製することによる利益の増幅,在庫医薬品量の抑制,外来調剤の迅速化などが求められていたが,現在は医薬品の適正使用に対応する業務が求められている.

医薬品卸売業からみた薬価問題

著者: 秋山孝二

ページ範囲:P.236 - P.239

はじめに
 昨年12月に私の身内3人が相次いで病院に入院し,私は異なった3つの医療機関の病室を訪問しているうちに,今回の年始年末は過ぎていった.各医療機関における普段と全く変わりない献身的な医師・看護婦等の病院スタッフの方々の姿に,患者の回復に一喜一憂する中,大きな感動と感謝の念でいっぱいである.
 この間の医薬品流通改善を総括するには,昨今の中医協論議にその源を求めるのではなく,6年前の流通近代化協議会(以下「流近協」と略)報告,および平成3年中医協建議を基点とする必要がある.大きな改革を成し遂げるには一つのトレンドを読み取ることが重要であり,その場の最適論議が,必ずしもある“時代”という幅の中では最適とは限らないことを私たちは認識するべきであろう.というのは,この数か月の中医協論議が「為にする議論」に終始し,過去の制度・方式の正しい総括,将来へのあるべき方向性に基づいているとは全く思えないからである.むしろ,80年代に逆戻りしたような厚生省の場当り的政策誘導のペースに取り込まれている様子に,私は暗たんたる気持ちで憂うつになっている.

薬価の国際比較と薬の真の有用性評価—評価の確立した安価な薬を使用し技術料に向けるべき

著者: 浜六郎

ページ範囲:P.240 - P.244

はじめに
 日本では医薬非分業と出来高払い制,およびそれらによって生ずる薬価差益のために,薬価は医師の処方態度に大きく影響を与えてきている.このため,医薬品の適正使用を進めるために,薬価問題は避けて通ることのできない重要な課題である.
 TIP (The Informed Prescriber:正しい治療と薬の情報)は,医薬品の適正使用(rational use of drugs)のために,医薬品メーカーの資金援助を受けず,中立的な立場で医薬品の評価と情報を提供してきている独立情報誌である.医薬品・治療研究会(代表:別府宏圀,東京都立北療育医療センター副院長)は,このTIPの発行母体である.TIPは今年で創刊11年目であるが,創刊当初の10年前から国際医薬品情報誌協会(ISDB:InternationalSociety of Drug Bulletin)に加盟する日本で唯一の独立医薬品情報誌であり,これまで医薬品の評価と情報提供を主要なテーマとしてきた.日本においては,薬価問題は医薬品の適正使用上特に重要な課題であることから,以前より関心をもっていて検討し調査もしていたが,1994年からは大阪府保険医協会の依頼もあり,共同で本格的な研究を開始した(調査は医薬品・治療研究会が担当).

〔てい談〕薬剤給付における調剤薬局の役割

著者: 佐谷圭一 ,   下村健 ,   竹内實

ページ範囲:P.245 - P.250

 竹内 今日はお忙しいところをお集まりいただきましてありがとうございます.
 今日は,「薬剤給付における調剤薬局の役割」というテーマでお話しいただきたいと思います.

〈てい談〉に対するコメント

著者: 加賀董夫

ページ範囲:P.251 - P.251

 この〈てい談〉を読んで,日本医師会の医薬分業担当理事としてのコメントをいただきたいとのご依頼である.私は,この記事は現状を捉えていて適切なものと考えるが,若干私の立場から意見を述べさせていただく.
 てい談で詳しく語られている通り,営利業者の門前薬局への参入が,目下対応を迫られている一番重要な問題である.町や村の開局調剤薬局はこの大きな流れに飲み込まれようとしている.利益があるところに営利企業が寄ってくることは,自由経済社会においては極く当然のことであるが,医療が社会保障の骨格として捉えられているので,医療に営利を求めて参入してくることが問題である.

グラフ

公的病院として地域のニーズに対応—社会福祉法人恩賜財団済生会支部鳥取県済生会境港総合病院

ページ範囲:P.209 - P.214

 鳥取県境港市は日本海と中海にはさまれた砂嘴にある町だ.この砂嘴は弓ケ浜半島と呼ばれ,半島全体が平坦な砂地で,最も高い地域で海抜5mである.この弓ケ浜半島のほぼ中央にある米子空港に降り立つと,日本海からの冬の風が冷たく吹き抜ける.半島の北部には境水道をはさみ島根半島の東端部,美保関の山々が間近に迫っている.
 境港市は人口約38,000人.全国一の水揚げ量のある漁港の町として知られているが,ここ二,三年はいわしの不漁が続いているという.

創立30周年を迎えた社団法人日本作業療法士協会会長 東京都立医療技術短期大学教授作業療法学科長 寺山久美子氏

著者: 杉原素子 ,   八木保

ページ範囲:P.216 - P.216

 昨年の9月に日本作業療法士協会は創立30周年を迎え,寺山会長は他の10名の作業療法士とともに厚生大臣表彰を受けました.昭和41年に20名で誕生した協会の歴史を振り返る時,氏の活躍は著しいものがあります.
 氏は東京大学医学部を「衛生看護学士」として卒業し,同時に「機能訓練士」という立場で障害児療育にかかわり始めました.昭和43年第3回作業療法士国家試験合格後は,作業療法士として事務局長や副会長の役を歴任しながら,今日の協会の土台づくりに力を注がれました.

主張

規制緩和と病院

著者:

ページ範囲:P.217 - P.217

 平成7年度も終わろうとしているが,当初の計画通り収支が見込まれたであろうか.あるいは,4月の医療費改定に伴う平成8年度事業計画案,予算案の再度の検討がなされているのであろうか.おそらく多くの病院経営者は,平成8年度も不透明な中での病院経営を強いられるかと憂鬱な気持ちであると思われる.
 「患者さんの身になって一生懸命頑張っているのに!」,「職員の生活を守るのに精一杯なのに!」.多くの病院経営者の嘆きの声が聞こえてくるようである.

対談シリーズ 介護問題をめぐって・6

〔特別インタビュー〕与党福祉プロジェクトチームの介護制度創設「第2次中間まとめ」をめぐって—今井 澄 参議院厚生委員長に聞く

著者: 編集部

ページ範囲:P.252 - P.256

 昨年(1995年)12月15日,与党の福祉プロジェクトチームにより「新たな高齢者等の介護制度創設に向けた議論の整理」(第2次中間まとめ)がまとめられた.その後,首班の交代があったが,このプロジェクトは継続され,介護制度の創設に関して論議されている.今回は対談シリーズの第6回として,プロジェクトチームの座長を務められている社会民主党の今井澄参議院議員に,これまでプロジェクトでの論点などをうかがった.

ケース・レポート

WindowsTMに基づく処方オーダリング・プログラム(Mei-Reps)の使用経験

著者: 後藤義朗 ,   宮崎悦 ,   西堀佳樹 ,   松山友彦 ,   青木茂 ,   白川春美 ,   小澤寿樹 ,   金谷邦人

ページ範囲:P.257 - P.259

はじめに
 オーダリング・システム(「オーダ」と略)は,別名でオーダー・エントリー・システムと呼ばれるが,医師による入力を基本とし,病院内情報ネットワークを利用して,処置,薬剤処方,検査指示等を端末機より入力して大型コンピュータ(ホスト)とを結びつけるシステムである1).導入目的としては,レセプト請求業務を迅速化して病院運営の効率化を図り,また医療情報を共有するシステムを構築し,院内業務を円滑化することで,将来的には電子カルテ化につながるものである.
 「オーダ」導入は,機器の進歩,低価格化により容易となってきたが,個々の病院のニーズに的確に応えるソフトがないことが問題であり,独自のソフトで院内システムを構築するには,時間と費用の負担が大き過ぎるため,現状で「オーダ」が導入できるのは,大学病院や総合病院に限られていた.

インタビュー

らい予防法の見直しと行政・医学の責任—大谷藤郎 藤楓協会理事長・国際医療福祉大学学長に聞く

著者: 編集部

ページ範囲:P.260 - P.263

 1995年12月8日,「らい予防法見直し検討会」は「ハンセン病は特別な疾患ではない」と予防法の廃止を求める報告書をまとめた.らい予防法制定(昭和28年,1953)から40年余,旧らい予防法制定(明治40年,1907)から90年近くを経て,「隔離政策」の法が今春廃止される.らい予防法見直し検討会の座長を務められた大谷藤郎氏に,この間の動きをうかがった.

連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第17回

特別養護老人ホーム2題—いずみの苑/アルペンハイツ

著者: 山﨑貞信 ,   柳原春秋

ページ範囲:P.264 - P.270

いずみの苑
施設の概要
 昨年(1995年)7月にオープンした「いずみの苑」は,板橋区立の特別養護老人ホームとしては2番目の施設で,「高齢者在宅サービスセンター」「在宅介護支援センター」を併設している.都市部の需要に応じて近年建設されつつある特別養護老人ホームのひとつとして,入所定員100名,ショートステイ定員10名の,比較的規模の大きい施設である.

訪問看護ステーション 実践レポート—北から南から

医師および利用者・家族から評価を受けた—熊本医師会訪問看護ステーション

著者: 松本ヤヨイ

ページ範囲:P.271 - P.275

はじめに
 熊本市医師会では「高齢化社会に伴う在宅寝たきり老人の増加に対応すべく主に老人保健法に基づいた地域における在宅ケアを推進する」という理念のもと,1991年6月,熊本市医師会の4本柱の一つとして在宅ケアセンターを開設した.
 在宅ケアの推進を図るため医師会会員,看護婦に対し,訪問看護の研修会を数回開催した.また会員看護婦と同伴訪問を行い訪問看護の指導を行うなど,訪問看護への啓蒙を図る傍ら訪問看護ステーション開設に向け準備を進めた.

精神保健福祉法と病院の対応・1

精神保健福祉法改正と精神医療

著者: 仙波恒雄

ページ範囲:P.276 - P.279

はじめに
 世界的な規模で,社会保障制度,医療制度は変革の時を迎えている.日本でも同じく21世紀の高齢化社会にたえられる医療供給体制,医療費対策をめぐり,社会の構造的変化を踏まえて関連法制度の新設,改正が一斉に厚生省で行われ始めた.まさに法律改正ラッシュの感がある.精神科領域においても同様で関連法律の改正がいくつか近年行われた.なかでも最も関わりの深いのが精神保健法であるが,これが幾度かの改正を経て,今回平成7年7月その名も変わり『精神保健福祉法』となり登場した.
 まず精神保健医療にかかわる法律について簡単に歴史的考察を加える.日本における精神保健医療に関する法律は,私宅監置を禁じた「精神病者監護法」が1900年(明治33年)に公布されたことに始まる.これが1919年(大正8年)公立病院設置を謳った「精神病院法」となり,ついで第2次大戦後の1950年(昭和25年)戦後の混乱のなかで,議員立法で「精神衛生法」の公布となった.この法律は社会防衛的な思想が強いものであった.関連法規としては,1960年(昭和35年)には精神薄弱者福祉法ができている.1964年(昭和39年)ライシャワー駐日米国大使が分裂病の一青年により刺傷されるという不幸な事件が発生し,警視庁から厚生省に対して法改正の意見具申があり,これを機に1965年(昭和40年)精神衛生法改正が行われた.

厚生行政展望

医療法人制度の論点

著者: 厚生行政研究会

ページ範囲:P.280 - P.281

 国会では宗教法人法,医療界では医療法人に関する議論が花盛りである.本誌の昨年11月号でも,「医療法人制度をめぐる諸問題」の特集が掲載された.しかし,どうも問題点がよくわからない,隔靴掻痒の感があるという読者も少なくないと思われる.そこで,今回は論点を理論的に一刀両断してみた.

病院管理フォーラム

〔放射線設備・機器管理Q&A〕診療用放射性同位元素使用施設の放射線管理

著者: 諸澄邦彦

ページ範囲:P.282 - P.283

 診療用放射性同位元素の使用に際して,実務担当者が時には煩雑と思うのが,使用・保管・廃棄について必要事項の記帳,放射線の量や汚染の測定結果,放射線業務従事者等の健康診断・被曝の測定結果や教育訓練の受講履歴などの個人管理の記録を作成し保存することではないだろうか.放射線管理の基本は記録することにあり,記録が整然と行われていれば,管理上の不備はその過程で発見できる.医療監視の際に記帳・記録の監査が重視されるのはそのためである.

〔薬剤師の新たな業務〕臨床薬剤業務と薬剤師養成

著者: 厚田幸一郎 ,   島田慈彦

ページ範囲:P.284 - P.285

はじめに
 近年,病院薬剤師を取り巻く情勢は大きな変革の時代を迎えており,従来までの調剤中心の業務体制から患者志向,すなわち,臨床薬剤業務を主体とした業務活動が求められている.その背景として,
 1)医療の担い手としての位置付け 2)医療品情報に対する患者ニードの高まり 3)医薬分業の進展 4)薬剤指導管理(600点)業務の制定と推進 5)薬学教育6年制の検討

〔病院図書室〕ニューメディア時代の病院図書室

著者: 山口直比古

ページ範囲:P.286 - P.288

ニューメディアとは何か
 ニューメディアあるいは最近よく使われているマルチメディアという言葉は,さまざまに定義され説明されています.しかしながら,現状ではこれこそ決定的な定義であるというものがありません.成長しつつある言葉であり,技術が先行し,言葉が後を追いかけていくという状態が続いているのです.ここでは,情報を伝達するための技術や媒体が多様化しているということと,情報のやりとりが双方向的であるという一般的な説明に止めておきたいと思います.
 しかしながら,本稿を進めるにあたり用語の定義をあいまいにしたままでは理解しにくいと思いますので,「メディア(情報媒体)の多様化と病院図書室」というような問題設定にしたいと思います.ニューメディアというと,ニューメディアという媒体が存在するかのような印象を受けますが,ニューメディアというメディアは存在せず,メディアが多様化している状況を指しているのだ,ということなのです.

癒しの環境

生活実感の環境

著者: 石向節子

ページ範囲:P.290 - P.291

はじめに
 普通に生活をしている人々,すなわち健康で日常生活になんら支障のない人々が病院という非日常性の高い場所に関わるときは,自分が思いがけず病気になって入院するか,家族が病気になりその対応をすることになるかのどちらかであることが多いと思われます.非日常的な事柄から起こるリアリティショックを和らげるために私達の出来ることは,生活実感をなるべく変化させないで入院生活を過ごせる環境を整えることであると思います.

「医療施設近代化施設整備事業」による病院の建て替え

幸野病院

著者: 幸野仁

ページ範囲:P.292 - P.293

幸野病院の概要
 当院は,内・外・眼科を標榜する38床の地域密着型小規模病院である.最寄りの小田急線祖師谷大蔵駅から徒歩1分と利便性が高く,世田谷区成城に隣接する住宅街に立地している.昭和32年に内科・外科・婦人科を標榜して24床で開設以来,2回の増築を経て昭和62年に63床へ増床した.途中昭和55年に眼科増設,平成3年に婦人科廃止の後,今回の全館増改築に伴う大幅減床にて現在に至っている(1日平均患者数は,入院:30,外来:280人程度).当院の建物(RC 3階建て)は,昭和48年頃の用途区域変更に伴う第1種住居専用区域に位置しているため,建築基準法上の「既存不適格建築物」であり増改築の際は大きな制約が生じる.

データファイル

新たな高齢者介護制度について(第2次報告)の概要,他

著者: 老人保健福祉審議会

ページ範囲:P.294 - P.300

 この報告においては,新たな高齢者介護制度の下で提供される介護サービスについて,具体的な内容,水準及び利用手続きやその実現のための介護サービス基盤の整備のあり方をまとめる./公的介護保険の制度・費用負担については,今後検討を進めることになるので,ここでは主な論点と基本的な考え方に関する議論を提示./当審議会は今後,公的介護保険制度のあり方を中心に引き続き検討を進め,給付内容を含め制度の金体像について最終意見を取りまとめる考え.

医学ごよみ

3月—March 彌生

著者: 木村專太郎

ページ範囲:P.301 - P.301

□2日 史上発の実験癌
 兎の耳にコールタールを塗ることにより,実験癌をつくった山極勝三郎(1863〜1930)の命日である.
 山極勝三郎は文久3年2月23日に信州の上田藩の山本政策の末子に生まれ,山極吉哉の養子になった.明治21年(1888)に東京帝国大学医科大学を卒業後,ベルリン大学のウイルヒョウ(Rudolf LK Virchow,1821〜1902)の下で病理学を学んだ.明治28年に33歳で母校の病理学教授に就任し,大正12年に引退するまで,その地位にあった.

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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