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文献詳細

雑誌文献

病院55巻6号

1996年06月発行

文献概要

病院進化論・2

巨大化とスケールメリット

著者: 古川俊之12

所属機関: 1国立大阪病院 2東京大学

ページ範囲:P.565 - P.568

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 なぜ病院は巨大化するか.それは進化の方向性の表現形でもある,というなら進化論の鵜呑に過ぎない.病院巨大化の最大の要因は,医療界が予想もしなかった医療技術の急速な進歩で,何とか新しい装備を取り込んで需要に応えるためである.
 奇妙なたとえかも知れないが,水中生活を選んだ恐竜には,その場凌ぎの適応で間に合わせた種属とそうでないものとがある.海棲恐竜のノトザウルスは,陸上恐竜の体型のまま尾に鰭を付け,四肢の指にミズカキまで付けたが推進力は弱く,餌を見つけて顎を開けると,水中抵抗が増して困惑したに違いない.デザインの優れたミクソザウルスは,尾鰭が垂直である以外は,現代のイルカとほとんど同じ優れた体型である.
 病院の進化も巨大化だけでなく,不細工な醜い図体になったものと,新しい設計思想で臨んだものとの差は歴然としている.まず巨大化の必然性を考察して,スケールメリットの如何を考えたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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