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連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第21回
病院建築のライフスパン
著者: 筧淳夫1
所属機関: 1国立医療・病院管理研究所施設計画研究部
ページ範囲:P.774 - P.777
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医療活動を支える器である病院の建物は,常に医療活動の「成長と変化」に対応するために,増・改築や改修がなされている.そのため,近年,病院の構造を耐震性能の面から見直しをしてはいるものの,建物の構造的寿命がくる前に既存の建物を壊し,新しく建物を建てることは非常に少ないといえよう.このように構造的な明確な理由ではなく,様々な要因によって病院建物の寿命が左右されるために,病院建築のライフスパンに関する明らかな資料はなく,経験的に30年程度をひとつの目安としてきた.
わが国の病院は今日,その数が9,731(1994年10月1日,医療施設調査),病床数168万(同)となり,欧米先進諸国と比較して量的には比肩するようになった.これからは量から質の整備が課題であるといわれて久しく,国も医療施設近代化施設整備事業を発足させ,補助金による援助を開始した.一方,医療計画が定着し,病床数は地域の状況により定められている.このような現況の中で今後病院建築の需要がどの程度あるのかは,医療界や建築界にとって大いに関心のあるところである.
医療活動を支える器である病院の建物は,常に医療活動の「成長と変化」に対応するために,増・改築や改修がなされている.そのため,近年,病院の構造を耐震性能の面から見直しをしてはいるものの,建物の構造的寿命がくる前に既存の建物を壊し,新しく建物を建てることは非常に少ないといえよう.このように構造的な明確な理由ではなく,様々な要因によって病院建物の寿命が左右されるために,病院建築のライフスパンに関する明らかな資料はなく,経験的に30年程度をひとつの目安としてきた.
わが国の病院は今日,その数が9,731(1994年10月1日,医療施設調査),病床数168万(同)となり,欧米先進諸国と比較して量的には比肩するようになった.これからは量から質の整備が課題であるといわれて久しく,国も医療施設近代化施設整備事業を発足させ,補助金による援助を開始した.一方,医療計画が定着し,病床数は地域の状況により定められている.このような現況の中で今後病院建築の需要がどの程度あるのかは,医療界や建築界にとって大いに関心のあるところである.
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