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文献詳細

雑誌文献

病院56巻1号

1997年01月発行

文献概要

特集 第3次医療法改正と病院

これからの病院と療養型病床群

著者: 児玉博行1

所属機関: 1医療法人社団行陵会大原記念病院

ページ範囲:P.24 - P.29

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 まず,表1に従って説明する.
 わが国の医療法は戦後まもない1948年(昭和23)に制定された.この時代においては,伝染病を主とする急性疾患が中心であり,これらの疾病を対象とした医療供給体制の整備がもっぱらの課題であった.1961年に導入された国民皆保険制度により医療へのアクセスもよくなり,医療ニーズは一気に喚起され,その結果,昭和40年代ごろより民間病院を中心とする医療供給体制の整備が急ピッチで進展した.一方,生活水準の向上や医学・医療技術の進歩により,乳児死亡率の低下とともに平均寿命も伸長し,高齢化社会の到来とともに成人病・慢性疾患へと疾病の構造も質的に変化してきた.このような背景をもとに医療需要も旺盛となり,増大する国民医療費が問題とされるようになり,1981年には大幅薬価引き下げによる本格的な医療費抑制策が始まった.1985年には,医療の効率的活用,医療関係施設相互の機能連携の確保などを図る観点から,医療計画が導入された.しかし,総量規制を目的としたはずの医療計画の導入であったが,駆け込み増床という現象を誘発し,逆に医療供給過剰という状態を惹起する結果となった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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