icon fsr

雑誌目次

雑誌文献

病院56巻11号

1997年11月発行

雑誌目次

特集 病院における情報開示

〔てい談〕これからの医療政策と病院の情報開示

著者: 谷修一 ,   黒川清 ,   紀伊國献三

ページ範囲:P.986 - P.993

医療改革と医療情報の公開
 紀伊國 病院における情報開示のテーマで,これからの医療がどのように変わっていくのか,お話をうかがっていきたいと思います.
 最近,レセプト情報を公開するなど,インフォームドコンセントの考え方の延長線上で,もっと情報開示をという動きがありますが,現在の医療改革の流れと関連して,厚生省の医療情報開示の取り組みについて,谷先生いかがでしょうか.

わが病院・医院における情報開示への取り組み

広島大学医学部附属病院

著者: 石川澄

ページ範囲:P.994 - P.997

患者の視点が優先する
 もし自らの情報の開示と秘匿を天秤に掛けて,どちらを優先させるかということは,両者の「バランスをとればよい」ということであれば,本稿は数行で終わる.
 情報開示は,本人への開示と他への開示にそれぞれ配慮が必要である.前者は医療に限らず自分の身の振り方を決める際に,自分にかかわる情報を知ったうえで事を進めたいと誰しも思う.一方,医療にかかわる情報は個々人にとっての最も深遠な情報である.他人に伝わるとすれば伝わる人,伝わる内容,伝わる方法も気になるところではないか.

厚生連佐久総合病院

著者: 松島松翠

ページ範囲:P.998 - P.999

 佐久病院が掲げている「患者の権利宣言」の5項目の中に,「医療上の情報説明を受ける権利」というのがある.したがって医療上の情報をできるだけ患者に伝えることは,患者の権利擁護の立場からは当然のことと考えている.しかし実際的な面になると,問題が全くないわけではなく,常にスムーズに事が運ぶとは限らない.そこで,筆者の病院の取り組み現状を紹介しながら,どのような点が問題となるかを述べたい.

橋本クリニック

著者: 橋本忠雄

ページ範囲:P.1000 - P.1001

自立した患者に
 当院では,1985年以来,患者に「わたしのカルテ」と名付けた小さなノートを渡している.
 そのノートには,服用している薬剤名,生じた副作用や療養上の指導事項が書き込まれ,血液検査のみでなく,心電図,エコー,CT, X線フィルムの所見,内視鏡写真などの検査結果が貼られている(図1).

医療消費者(患者)からみた病院の情報開示

医療情報の公開・開示を求める市民の会

著者: 勝村久司

ページ範囲:P.1002 - P.1005

 厚生省は今年6月25日,それまでの方針を転換してレセプト(診療報酬明細書)を本人に開示するよう全国に通達した.さらに厚生省は「カルテ等の診療情報の活用に関する検討会」を7月10日より発足させ,カルテ開示も時間の問題となった.大阪では,指摘されていた安田系列病院の悪徳ぶりがようやく行政によって明らかにされた.医療の世界の情報公開・開示は着実に進んでいる.
 ここでは,まず今回実現した「レセプト開示」の通達内容やその意義について触れ,その後,今後の課題など,医療の情報開示全般について意見を述べる.

医療消費者ネットワークMECON・NET

著者: 清水とよ子

ページ範囲:P.1005 - P.1007

患者の権利
 ロンドンに滞在中の数年前の夏,通り道にある病院に立ち寄り,苦情申し立ての用紙と説明書をもらったことがある.
 病院の受付で案内された窓口へ行き「苦情処理の用紙をください」といって,文書を入手するまでに5分とかからなかった.

病院情報提供に関する保険者の取り組み

著者: 岸本武三

ページ範囲:P.1008 - P.1011

 筆者は,今年に入ってから有識者やマスコミ関係者が保険者機能と医療情報について述べられていることに大きな関心を持ち,このことが,医療保険制度の構造改革とも大きくかかわっているのではないかと考えた.次に筆者の出会った印象的な発言を紹介したい.
 与党公聴会2月26日,大阪市のホテルで自民,社民,さきがけ与党三党による医療保険制度改革に関する大阪公聴会で次のような意見陳述を行った.奈良女子大学木村陽子助教授が,

諸外国における病院の情報開示

医療界に押し寄せる情報公開の流れ

著者: 川渕孝一

ページ範囲:P.1012 - P.1016

今なぜ,情報公開なのか
 これからわが国の医療界で医療情報の公開が今後大きなテーマになると考えられる.
 その理由は以下の3点に要約される.

イギリスでの状況

著者: 寺崎仁

ページ範囲:P.1017 - P.1019

 いまイギリスでは大規模な医療制度改革が進行中で,この数年間で医療の提供システムが大きく変化している.したがって,まずはこの国の医療制度などを簡単に説明する.
 日本でもよく知られているが,イギリスの医療サービスはNHS (thenational health service)と呼ばれる税金を財源とした国営で行われている.そして1次と2次の医療は明確に区別され,患者のかかりつけ医である一般開業医(GP:general prac-titioner)が行う医療は1次医療,そのGPの紹介で病院などで提供される医療が2次医療と定義される.1次医療は,登録住民の数に応じて国とGPが請負契約を結び提供されるが,病院での2次医療は国からの予算に基づいて行われ,それぞれの病院が担当する地域をカバーする仕組みとなっている.住民は,救急(acci-dent&emergency)以外ではGPの紹介なしで病院に行くことはできず,どの病院を受診するのかも通常はかかりつけ医であるGPが決めている.

フランスの医療機関の情報開示

著者: 木戸友幸 ,   奥田七峰子

ページ範囲:P.1019 - P.1020

広告PR的性質情報の
一切の禁止
 日本での医療サービスの商品差別広告の一切の禁止に対し,フランスでは医師倫理法により(職業倫理法典全5巻の中の第3巻・医師編)医療広告は日本のそれよりさらに厳しく規制されている.例えば日本でみられる医院の所在地囲み広告看板や公共交通機関の車両内や駅構内にみられる医師の名前の入った病院広告は一切禁止されている.以下,該当法令を抜粋.
 医師倫理法第19条 医師は,その医療行為を商業的に行えない.直接.間接のいかなる宣伝行為もこれを禁ずる.商業地区内での,医師名の入った看板の掲揚を禁ずる.

オーストラリアの情報開示の原則と現状

著者: 姉崎正平

ページ範囲:P.1021 - P.1022

 開示が問題となる医療分野の情報は,主として患者に関する情報と病院や医師など医療提供側に関する情報から構成される.オーストラリアでの両分野における情報開示の原則や背景についての筆者の質問に対する2人の専門家の回答の要点の翻訳・紹介で責めを果たしたい.

カナダにおける患者の知る権利および関連する諸問題

著者: ジョンストンジョン

ページ範囲:P.1022 - P.1024

 カナダでの患者の知る権利およびそれに付随した諸問題は,他の先進諸国よりもより複雑になってきている.その理由としてカナダの連邦制が上げられる.
 オタワの連邦政府ではカナダ保健法(Canada Health Act,1984年)により,例えば,医師の診察料金を補う保険の包括性,継続性,コスト—エフェクティブなシステムなどを維持することを含め,医療システムの政策と基準などを作成してきた.しかしながら,実際の医療サービスの供給責任は,BNA Act (British NorthAmerica Act,1867年,イギリス領北アメリカ法)制定以来,各州政府にある.したがって,実際には住民によって選ばれた州議会や官僚的な組織の業務を通じて,各州政府が医療サービスを直接供給しコントロールしている.中央政府の示した原則は各州とも受け入れているが,州政府ごとの独自の法律,規制および専門職団体の考え方が異なるので,すべての州で医療サービス供給システムが同じ規則で機能するというものではない.同時に,規則は社会や裁判所の解釈によって異なることもある.さらに,国民の意志が変われば,変わるものでもある.

グラフ

地域密着で予防からケアまで提供—一貫した包括的な医療と福祉を地域に実現する—城東社会保険病院城東社会保険老人保健施設サンビュー城東

ページ範囲:P.977 - P.982

■日雇い健康保険診療所が前身
 1954年6月,第二次世界大戦後の元東京市立城東病院跡地に興された日雇い健康保険亀戸診療所が社会保険城東病院の前身.下町にあって当時から地域住民に親しまれていた.
 その旧病院から南東に少し離れた場所に1996年3月,名称を城東社会保険病院と改めた新病院が老人保健施設を併設して竣工,1996年4月より診療を開始した.診療科は整形外科1科の増,病床は100床から130床(人間ドック5床含む)に増えた.

第36回フローレンス・ナイチンゲール記章を受賞された 聖路加看護大学名誉教授 高橋シュンさん

著者: 内田卿子

ページ範囲:P.984 - P.984

 高橋シュン先生は,聖路加女子専門学校を昭和10年に卒業され,すぐに聖路加国際病院で,看護婦として内科看護に専念された.先生の看護教育は,学生指導の時間以外も時間を作られ,いつも病棟にいらして卒業して働いている看護婦の指導,助言をされて率先してベッドサイドで看護実践の模範を示され,看護実践を通して私たちを育ててくださった.また,臨床の若い医師と新しい医学知識や検査について議論され,病棟の看護婦が行う看護について看護の質や,看護教育について話をされていた.その先生が第36回フローレンス・ナイチンゲール記章を受賞されたことは先生の教え子としても喜ばしく,誇りに思う.
 先生は熱心なキリスト教の信徒であられた.日曜日の礼拝をきちんと守り,チャペル委員として礼拝堂の活動や維持管理の面で礼拝堂の牧師の活動を助け,信徒の教母として多くの人を信仰に導かれ,たくさんの信徒を育てられた.先生の気さくな,優しい人柄は,誰にも好かれ,男性,女性を問わず多くの友人がいつも先生を中心に集まっていることが何よりの事実である.

主張

公正な競争原理を持つ市場

著者:

ページ範囲:P.985 - P.985

 保険制度を中心にしながらも,医療全般にわたる構造改革に関する議論が進行中である.医療は年金や介護とともに社会保障の中で重要な役割を果たしているが,それはいつの時代,どの社会においても,その必要性を認識されている.憲法第25条は国民の基本的人権の一環として,健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を保障し,さらに社会保障に関しては国の社会的使命を謳っている.社会的保証とは,言い換えれば,国民が安心して生活を営むことを社会が保証することであり,加えてそのために所得再配分機能を国家の財政の範囲で保証することである.
 医療は「自然科学としての医学を社会に適用すること」であり,社会科学の中に位置付けることが可能であると思われる.現代の社会科学は政治学,経済学,社会学といったアメリカ流の法則定立科学に帰着しているようであるが,普遍的な法則の定立を謳う社会科学も歴史的な偶然の産物にすぎないとする認識が主流のようである.要するに,事前に絶対的真理は存在せず,その時代,その社会の振れの幅の中で最も適正と思われる位置付けを見いだすことではないか.

フォーラム 医療保険制度改革と今後の病院医療 北海道私的病院協会主催「医療施設経営改善支援事業研修会」より・1

改革の議論のポイント/社会保障制度改革と医療保険制度改革

著者: 河北博文

ページ範囲:P.1025 - P.1031

 これから「医療保険制度改革と今後の病院医療」のテーマで討論いたします.私がこのフォーラムの進行役を務めさせていただきます.
 まず,13回目の北海道私的病院学会を迎えられたことにお祝い申し上げます.また,学会の一環として医療施設経営改善支援事業のフォーラムを私どもが担当させていただきますが,民間病院経営の改善にお役に立てるように話し合いを進めたいと思います.

連載 病院主導の保健・医療・福祉複合体の実証的研究・13

第6報 その1 私立医科大学の保健・医療・福祉複合体化はどこまで進んでいるか

著者: 二木立

ページ範囲:P.1032 - P.1037

お断り
 本誌昨年11月号の「連載を始めるに当たって」では,第5報で,「医療関連サービスへ…の医師・民間医療機関の参入実態…を明らかにする」ことを予告していたが,それは中止する.この動きは,医師・医療機関の「サバイバル戦略」として最近注目を集めており,本誌を含めた医療・病院経営雑誌だけでなく,一般紙(「日本経済新聞」など)でも,事例報告や特集が急増している.しかし,有料老人ホームを除いては,施設・企業名簿はまだ整備されていない.そのために,現時点で,定量的・実証的な分析を行うことは時期尚早であり,その前段階として「事例検討」を数年間積み重ねる必要があると判断したためである.
 そのために,本稿でこの連載を終了する.なお,本連載のデータを最新のものに更新したうえで,連載執筆時はデータの収集と分析に追われたためもあり,ほとんど書けなかった筆者自身の「解釈」を加えた『日本型保健・医療・福祉複合体の実証的研究』(仮題)を,来春出版する予定である.

アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第37回

新潟県立中央病院

著者: 高橋明 ,   室殿一哉 ,   永井豊彦

ページ範囲:P.1048 - P.1052

心を癒す環境づくり
 新潟県立中央病院は,上越地域の基幹病院としての役割を果たしています.また,県立看護短期大学に隣接しており,当院とともに地域の医療ゾーンを形成しています.近くには桜の名所である高田城公園があり,敷地からは,妙高山や関川の緑豊かな風景を望むことができる風光明媚な地です.
 新しい中央病院の建設に当たって,次の基本方針により整備の基本構想が進められました.

病院管理フォーラム 広がる病院患者用図書館・8

県立がんセンター新潟病院の患者図書サービス

著者: 有田由美子

ページ範囲:P.1038 - P.1039

 当院では,1994年から院内の入院患者へ一般書の貸出サービスを,ボランティアあかね会の活動により「あかね文庫」として開始した.その後,小児病棟の子どもたちにお話ボランティアとしてあかね文庫お話会を,1996年から開始した.また,わかりやすい医療関連書の貸出サービスを「からだのとしょかん」として,1997年から入院・外来患者とその家族,そして一般の市民に対して開始した.それぞれの活動は,それぞれの専門ボランティアが担当し,院内の医学図書室の司書がかかわりながら,運営されている.本稿ではこれらの活動について,そして患者や院内職員の反応と今後の課題などを紹介していく.

経営管理・5

新たな日常性の構築「かわらなきゃ」—職種別損益計算の試み(5)

著者: 塩谷泰一

ページ範囲:P.1040 - P.1041

 前号までは職種別損益計算書作成の実際を収益と費用に分けて述べてきた.今回は,収益と費用のバランスについて解説する.

院内倫理委員会・8

都立病院の倫理委員会

著者: 包國浩

ページ範囲:P.1042 - P.1043

 「この患者にとって最善の医療とは何か」—個人の価値観が多様化する中で,この間に的確に応えていくことは容易ではない.とりわけ救急医療や末期医療の現場では,宗教上の理由による輸血拒否,意思決定能力を欠く患者への対応,人工呼吸器の着脱,がん告知など患者のQOLをめぐって医師が判断に悩む事例は少なくない.都立病院も例外ではなく,こうした問題に日常的に遭遇し,そのたびに医療従事者はジレンマを感じてきた.
 「個人のみの判断でよかったのか」,「もっと立場の違う意見も集約すべきではなかったのか」,「今後,医療者だけの規範で対応しきれるのか」—そんな思いから出てきた要望が,倫理委員会の設置である.

「医療施設近代化施設整備事業」による病院の建て替え

協和会北大阪病院

著者: 加納繁美 ,   岩崎熈毅

ページ範囲:P.1044 - P.1045

北大阪病院の沿革と現況
 特定医療法人協和会北大阪病院はJR新大阪駅の西200m (大阪市淀川区西宮原2-7−17)に位置し,共同住宅北大阪ハイツ(地下2階地上12階)の4階部分までを病院として使用しているユニークな救急指定の一般病院である.
 建造物は昭和55年(1980)に建設され,同時に病院部門も医療法人丸山会北大阪病院として開設されたものであるが,諸般の事情により昭和58年(1983)4月より協和会北大阪病院がその経営を引き継ぎ現在に至っている.

保健・医療・福祉政策ウォッチング

保健所と保健センター

著者: 病院問題研究会

ページ範囲:P.1046 - P.1047

 地域保健法が全面施行されて半年がたつ.立法の趣旨からは,広域あるいは特殊な地域保健活動については(都道府県)保健所の技術機能が強化され,一般的な地域保健活動については(市町村)保健センターに責任主体が大きくシフトしたはずであるが,現実には多くの病院関係者には,法が改正されたことすら気付かれていない.これは,病院からみた保健所の機能(医療監視の実施,食中毒診断届の受理など)にも,保健センターの機能(住民健診の実施など)にも大きな変化がみられなかったためであろうが,来院した有症状の患者から症状を除去あるいは軽減することをもって病院医療の役割のすべてとする意識のもとでは,保健所や保健センターの社会的役割やその動向には関心が持たれないのは当然かもしれない.

病院の広報

つぼみ愛知県立第一青い鳥学園広報誌/院内ニュース中国労災病院広報誌

著者: 花井明弘

ページ範囲:P.1054 - P.1054

 本学園は,1955年8月1日から事業を開始した児童福祉法による肢体不自由児施設で,医療法に基づく病院です.設置は愛知県.社会福祉法人恩賜財団済生会支部愛知県済生会が愛知県から委託を受けて経営.
 当初1959年より事務職員2名で新聞「青い鳥」を年2回14年間発行していたが廃刊になり,1977年ころ職員の間から,子どもたちが親元を離れて障害克服のため訓練,勉強している様子を形にして残したいとの声が出,その声に押されて看護婦2名,理学療法士1名,保母1名,児童指導員2名の計6名が編集委員となって再開の準備に入りました.準備の1年間に,入園児が将来大きく花開くことを願い,名称を「つぼみ」と決めました.再開第1号は1978年3月の発行を目指し,編集委員は仕事を終えての打ち合わせに汗を流しました.

医療の質の評価と改善 組織・運営・戦略におけるトータル・クォリティー・9

医療経営革新(TQM,リエンジニアリング)のための基本機能—問題解決志向のチーム活動

著者: 今中雄一

ページ範囲:P.1055 - P.1057

TQMとTQC
 問題解決志向のチーム活動は、トータル・クォリティー・マネージメント,リエンジニアリング,あるいは経営革新において,基本的な機能である.病院など医療提供組織に,そういったチーム活動を実行し推進する人々,技術,文化があるか,が問われている.国際的に医療において進んでいるTQMの経営枠組みのなかで,質改善,業務改善のためのチーム活動は,PIT (performanceimprovement team)など様々な名称で呼ばれている.日本科学技術連盟(以下,日科技連)でいうところのQCサークルはその一つの基本型である.米国の医療施設認定合同委員会JCAHOの訪問審査でも,複数のチームの改善実績が発表され評価される仕組みになっている.
 品質管理,すなわちQC (quality control)とは1),「顧客の要求する品質を確保すべく組織の品質目標を定め,これを合理的かつ経済的に達成するもの」であり,これを効果的に実施するために,組織の活動の全部門,全段階にわたり,経営者から第一線まで全員の参加と協力をもって実施するのが,総合的品質管理(TQC;total quality control)である.TQCは,そもそもは組織の体質の継続的な強化を目指していたのだが,製造業においてQCサークル(特に旧型のもの)による定型的業務の要素の改善の積重ねに重点があるといった印象が強い.

報告

日本の病院の病床規模別機能別類型化の試み—規模列分析,集中度分析ならびに数量地図分析の応用

著者: 長谷川敏彦 ,   福島敦 ,   堀口裕正 ,   近藤正英

ページ範囲:P.1058 - P.1062

目的
 日本の病院の機能は複雑でこれまでも種々の類型化が試みられている.本論文ではまず,有床診療所を含め病床規模別に大きく機能を捉え,次いでそれらの特徴を数量地図分析ならびに筆者によって開発された集中度分析によってさらに詳細に検討したい.

医学ごよみ

11—月November 霜月

著者: 木村專太郎

ページ範囲:P.1063 - P.1063

 このシリーズの過去3か年間で,11月11日から20日までの出来事を選んでいなかったので,今月はその間の3日を選ぶことにした.

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

雑誌購入ページに移動

バックナンバー

icon up
あなたは医療従事者ですか?