特集 病院におけるマルチメディア
病院運営管理の支援とマルチメディア
著者:
大江和彦1
松下正明2
所属機関:
1東京大学医学部附属病院中央医療情報部
2東京大学医学部附属病院
ページ範囲:P.221 - P.224
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病院に限らずある程度の規模以上の機構を運営していくには,機構の内部の様々な動きに関する情報,機構が置かれている外界環境の変動に関する情報,機構が置かれている外界での位置情報の三つが必要である.またこれらの情報は新しくなければ意味を持たない.さらに,必要十分な情報を必要なときにはいつでも入手できなければならない.そして,運営管理する人が分析しやすく,問題点を見落とすことのない方法で提示されることも重要である.例えば自動車の運転でも,ドライバーは燃料計,速度計,温度計,その他の多くの計器表示により自動車内部の稼働状況を把握し,フロントウインドウやサイドミラーなどから視覚情報とラジオからの渋滞情報や天気予報などにより外界環境の変動情報を入手し,カーナビゲーションシステムで自分の地図上の位置を確認しながら運転する.これらの情報はいつでも必要なときに最小限の労力で入手できるように運転席は設計されており,当然ながらリアルタイム情報が提示されている.速度オーバーや燃料切れなど重要な異常情報はアラーム音など別のメディアでドライバーに訴えるようになっている反面,トランクの中の荷物がどうなっているかといった運転に無関係な情報は提示されない.