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特集 病院機能評価の動向と将来
医療の質の経済的効果
著者: 広井良典1
所属機関: 1千葉大学法経学部経済学科
ページ範囲:P.429 - P.432
文献購入ページに移動「医療の質」に関する政策や活動が様々なレベルで動き始めている.本誌で詳しく紹介されているように,日本医療機能評価機構は病院の機能評価事業を平成9(1997)年度から本格実施することとなっており,また,より個々の医療技術に即したレベルでは,昨年12月,厚生省健康政策局に「医療技術評価の在り方に関する検討会」が設置され,いわゆるテクノロジー・アセスメントをめぐる課題についての検討が,初めて国レベルで本格的に開始されることとなった.一方,より医療保険に近い場面では,薬剤の処方ガイドラインや医薬品の保険収載に当たっての経済評価に関する議論が活発化している.
目を転ずると,医薬品の安全性のチェック体制強化などの観点から厚生省薬務局の再編が本年7月に実施予定となっているほか,4月にはこれまでの厚生科学会議が「厚生科学審議会」に発展改組され,研究段階から臨床までを含めて,厚生科学技術政策ないし「医療技術政策」についての本格的な政策論議がスタートすることになる.加えて,エイズ堝やO157事件なども踏まえ,今年の厚生白書は衛生行政ないし医療政策の再構築を主テーマに掲げて作成が進められているときく.
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