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社会保障制度改革のビジョン
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ページ範囲:P.17 - P.17
文献購入ページに移動現在の社会保障をめぐる議論をみると,1)一方の極として,いわゆる「国民負担率」の数字のみを持ち出し,それが50%以内ならよい,いやよくない,といった,それ以上発展性のない大づかみの議論となるか,2)他方の極として,医療,年金などの個別分野にのみ関心を向け,この部分を縮減すればこれだけの財政効果があるといった,当面の財政収支にのみ焦点を合わせた対症療法的な議論となるか,のいわば両極端に分かれてしまう傾向にある.加えて,制度改正が最終的なビジョンなしに,いわば「小出し」のかたちで行われるため,「最後の大改正」といった表現が使われたかと思うと数年後にはさらなる負担増または給付削減が行われる,という結果となり,かえって国民にとって将来への不安を募らせる状況を招いている.
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