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特集 地域医療支援病院はどうなる
「地域医療支援病院」をこう考える—制度化は必要—だが,あまりにも多い不確定要素
著者: 白石恒雄1
所属機関: 1松山赤十字病院
ページ範囲:P.876 - P.877
文献購入ページに移動わが国の医療の流れからすれば,地域医療支援病院の制度化そのものは当然の成り行きであると考えられる.なぜなら,わが国では20床以上の医療機関はすべて病院という同一概念の中に包括されており,20床から1,000床以上の病院まで,すべて同じように取扱われてきたことの矛盾があり,その矛盾は地域社会の中でそれぞれの病院に求められる医療の機能を考えるとより明確となる.
わが国の医療機関には診療所と病院の2種類があり,その基準となっているのは単に病床の数のみであり,そこには医療の機能的な要件への配慮がまったく欠けている.一方,その矛盾は近年の医学・医療における診断・治療法の著しい進歩への対応の仕方から考えても,同じように病院という医療機関でも置かれている立場や規模によりその対応の仕方が異なってくるのは当然であり,病院自らがそれぞれの地域が求めるニーズに対して果たしうる役目を,病院機能という形で分担して対応していかねばならなくなってくることは当然であると考える.
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