icon fsr

雑誌目次

雑誌文献

病院57巻11号

1998年11月発行

雑誌目次

特集 医療ビッグバンと公私の役割を考える

[てい談]地域医療における公私の役割を改めて問う

著者: 田辺栄吉 ,   土屋正忠 ,   河北博文

ページ範囲:P.962 - P.969

 河北(司会) 日本は現在,あらゆる分野で変革を求められています.病院も公私を問わず大きく変わっていかなければいけないと思います.
 本日は東京のお二人の市長さんに自治体病院をお持ちの市とお持ちでない市の立場からご出席いただきました.そこで最初に青梅市の田辺市長から,全国自治体病院開設者協議会のお立場も含めて,地域の中での公立病院のあり方,あるいは期待を最初にお話しいただきたいと思います.

自治体病院の経営上の問題点

著者: 岩堀英道

ページ範囲:P.970 - P.974

 この数年,国・地方自治体の財政状況の悪化,経済のグローバル化,行政改革・規制緩和の推進,情報公開時代の到来といった病院経営に間接的に影響を与える環境が大きく変化する一方で,介護保険制度の導入,医療費の患者個人負担2割の実施,地域医療支援病院の制度化,社会保険診療報酬における平均在院日数の変更といった病院経営に直接影響を与える施策が毎年のように講じられている.
 このため,これらの状況変化にどのように対応すればよいかなどの課題を抱え,それに適切に対応していかなければならないため,自治体病院の経営はますます困難になってきている.

医療ビッグバン下の公立病院—構造改革と地方分権の推進の中で自治体病院はいかに生き抜くべきか

著者: 朝日俊弘

ページ範囲:P.975 - P.977

 最近「ビッグバン」(Big Bang)という用語が様々な領域で多用されている.もちろん医療の分野とて例外ではない.最近では「医療ビッグバンで消費税撤廃!」をメイン・スローガンに,参議院選挙をたたかう政党すら出てきた.この「ビッグバン」という用語が,本来の「宇宙誕生の大爆発」の意味を離れて,今日的に「金融システムの大改革」を指す言葉として用いられる場合には,「フリー,フェア,グローバル」の三つがキーワードとなることが知られている.
 では「医療ビッグバン」といわれる場合にはどうであろうか? 実際には言葉の使い方はバラバラで,その意味する内容や強調されるポイントは,使う人によって必ずしも一様ではない.

今後の地域医療における公私の役割を考える—公私相協力,相互補完

著者: 諸橋芳夫

ページ範囲:P.978 - P.980

 医療は地域を離れては成り立たないものである.国,公,私の大病院に例をとっても診療圏は案外狭いものである.
 医療は対象が人である.William Osler博士の言に「医学・医療は患者とともに始まり患者とともにあって,患者とともに終わる」とある.

今後の地域医療における公私の役割を考える—医療圏における機能分担

著者: 秀嶋宏

ページ範囲:P.981 - P.982

 現在医療審議会において,各二次医療圏ごとに医療を完結することが地域医療の理想像といわれている.それゆえ,地域医療支援病院の構想が生まれてきたのである.もし二次医療圏において,医療を完結することができない場合,その部分を補完することが今後の課題であろう.このような見地に立ってみるとき,各二次医療圏に複数の地域医療支援病院を設置する必要性はほとんどないと考える.国民は大病院指向となってきているので,地域医療支援病院には患者のアクセスが増大する可能性が高くなるであろう.
 また設立要件は国公立,または特別医療法人となっており,特別医療法人になる法人病院は少ないうえ,紹介率80%とされ,当初は60%からスタートするとはいえ,現在の特定機能病院でも30%の紹介率を達成するのに大変な苦労があったことをもっても,民間病院が手を挙げることはまず考えられない.

今後の地域医療における公私の役割を考える—公私医療の経営を中心に

著者: 藤原恒弘

ページ範囲:P.983 - P.985

 わが国の医療システムは大転換の時期にある.戦後まず拡大発展期,費用の削減期(これは永続する)と続き,今や評価選別期を迎えようとしている.また各分野における規制緩和,地方への権限委譲が議論されている.医療においても時代の流れは避けることはできない.
 理想的な地域医療は医療の地域内完結である.限りある資源の下で医療の需要のすべてが地域で供給されるためには,医療提供体制を効率的に整備する必要がある.医療提供体制の種類は多岐にわたり,開設母体,当初の目的,運営方法も様々であるが,診療報酬体系はすべて同一である.公私医療の経営(経済機能)に焦点を当て,公私病院の地域における役割を検討する.

今後の地域医療における公私の役割を考える—精神科医療の公私の機能分化

著者: 河崎茂

ページ範囲:P.986 - P.989

 日本の精神障害者の対策はここ数十年来大きな変化をなしてきた.特に精神障害者に対する人権尊重・偏見,差別の撤廃,開放的処遇など,解決しなければならない大きな問題として取り組んできた.
 日本の障害者の医療の起点として,社会から隔離し,収容してきた歴史は何人も否定できない事実として今日まで行われてきた.欧米諸国の対策との間に大きな遅れを持ち,ことにその監禁政策に対する国際社会の批判ははなはだしいものがあった.

今後の地域医療における公私の役割を考える—地域特性の視点から

著者: 中村義弘

ページ範囲:P.990 - P.991

 公私の役割といっても,その地方の事情により全く異なるものがあり,一律に論ずることはできない.

ビツグバン下の医療提供体制

著者: 八代尚宏

ページ範囲:P.992 - P.995

日本経済社会の構造変化
 1990年代の日本の経済社会は,大きな構造改革の時期に直面している.1980年代までの日本では,高い所得の伸びが当然の前提であり,「不況」とは経済成長率が3%台を割り込むことに過ぎなかった.しかし,当初,1980年代末のバブル景気の反動に過ぎないと見られていた1990年代初めの経済活動の落ち込みは,単なる景気循環によるものではなく,中期的な成長減速であったことが,最近では認識されるようになった.これはちょうど,1970年代半ばに経済成長率が10%台から4%台に屈折したことの再現であり,今後の日本経済は平均して1〜2%の低い成長率に適応していかなければならない(図1).
 こうした日本の経済成長減速の大きな要因として,米国など先進国水準へのキャッチアップがある.国民の平均的な所得水準を示す指標として,1人当たりGDP (国内総生産)を見ると,すでに1980年代には米国を大きく上回る水準に達していた(図2).戦後の日本の経済発展の原動力が,豊かな米国の生活水準へのキャッチアップを目標としていたとすれば,それはすでに達成されたといえる.

グラフ

よりよい精神医療のあり方を追求する—医療法人同和会千葉病院

ページ範囲:P.953 - P.958

 精神医療改革に向けて先頭集団を走ってきた医療法人同和会千葉病院が,先般,新築を終え再スタートをきった.同院は千葉県船橋市,新京成線前原駅から徒歩5分の距離,飯山満の高台に位置している.
 同院は1956年に64床,職員数22名でスタート.1997年には新病棟が完成し,現在では急性期病棟(55床),老人・合併症病棟(60床),一般の保護室の他に4床の重症者用の保護室を備えた男子閉鎖病棟(60床),女子閉鎖病棟(51床),開放のリハビリ病棟が男女それぞれ1棟(各60床)の346床(うち精神療養病棟A:291床)の入院部門を擁し,職員数は現在229名という規模に成長した.

全国自治体病院協議会精神病院特別部会会長を務める 北海道立緑ヶ丘病院 伊藤哲寛院長

著者: 小池清廉

ページ範囲:P.960 - P.960

 利用者(国民)にとってどのような医療がよいかという論調は,医療界にはまだ少ない.全国自治体病院協議会はこのたび,「安心して利用できる精神科医療を実現するために」という一般向けの提言を発表した.新しい精神科医療基準の策定を求めた1996年の提言に続くものである.戦後50年,地域の医療と福祉は進歩したが,精神病棟の人員配置は,結核と同様,終戦直後並の水準を脱していない.どうして先進国にふさわしいといえよう.精神保健医療をめぐる現状の改善策について,提言は次の項目ごとにまとめている.
 ①精神科医療を一般科医療の水準まで高めよう,②地域医療と福祉を充実し,「社会的入院」をなくそう,③国公立病院を充実するとともに,一般病院の精神科を増やそう,④身近なところで医療と福祉を利用できるようにしよう,⑤人権を守れる医療環境をつくろう,⑥情報を公開し,精神病院の不透明性をなくそう,⑦偏見をなくし住みやすい地域社会に変えよう.

主張

二つの報告書の意味するもの

著者:

ページ範囲:P.961 - P.961

 第三次医療法改正に伴う地域医療支援病院が各地で承認され始めている.一方,有床診療所の療養型病床群への参入も具体的になり,この有床診療所の病床数は地域保健医療計画のベッド数にカウントされる.
 このような情勢の中で病院の将来を占う二つの報告書が1998年7月に相次いで出されている.「21世紀に向けての入院医療の在り方に関する検討会報告書」と,「必要病床数等に関する検討会報告書」である.

特別寄稿 マネージドケアと米国医療の変容

2.マネージドケアの急成長に伴い噴き出した問題

著者: 田村誠

ページ範囲:P.996 - P.1001

 前回は,マネージドケアの仕組みを紹介し,そのうえでマネージドケアに期待される効果,およびマネージドケアの急速な興隆の背景について論じた.今回と次回は,マネージドケアがどのような「インパクト」を米国の医療に与えているか,あるいは与えうるかについて論じる.
 今回は,マネージドケアにより引き起こされた問題や反感,すなわち「マイナスのインパクト」を論じる.この数年,一般のマスメディアに頻繁に取り上げられてきたマネージドケアにかかわる「ホラーストーリー(恐怖物語)」や医療者側(医師)から問題とみなされる部分について紹介する.これにより,実際の医療現場で生じている問題を明らかにしたい.次回は,主に統計的手法を用いたマネージドケアの「医療費抑制効果」や「治療の質の評価」に関する実証研究の成果,すなわち「プラスのインパクト」を整理する.

研究と報告

自治体の「保健・医療・福祉複合体」の全国調査

著者: 二木立

ページ範囲:P.1002 - P.1007

 本誌に長期連載した「病院主導の保健・医療・福祉複合体の実証的研究」(1996年11月号〜1997年12月号)では,調査対象を,主として私的病院・医療機関が設立母体となっている「保健・医療・福祉複合体」(以下,「複合体」と略)に限定し,自治体が設立母体の「複合体」については,部分的にしか触れなかった.
 これには,二つの理由があった.一つは,従来の「保健・医療・福祉の連携と統合」の調査研究が自治体主導のものに偏重しており,私的医療機関主導のものを無視していたこと.もう一つは,医療界では「医療冬の時代」といわれている1980年代以降も,一部の私的医療機関が大きな活力を有して活発な事業展開を行っている実態を明らかにすることである.

特別企画 シリーズ・ISO9000sの医療への導入を検討する・5

河北総合病院におけるISO14001の取得

著者: 冨田信也

ページ範囲:P.1008 - P.1012

なぜ,ISO14001を導入したか
1.経営理念から地球環境保全へ
 私たちの病院は経営の理念に「社会文化を背景としたよりよい医療の追求」を掲げ,「質の高い,おもいやりのある医療を行うとともに,地域の健康の向上に寄与する」ことを経営の目的としている.「社会文化を背景」とすることは,常に時代の要請する重要課題に主体的にかかわって「よりよい医療」を行うことである.
 現代には火急の課題として地球環境保全がありこれを先送りすることはできないと考え,私たちは1990年より「地球環境保全」を経営の一つの重要な取り組み課題に入れている.「よりよい医療」を追求する背景にはこの課題が基盤にある.

病院管理フォーラム リエンジニアリング—PFFCの展開・11

PFFCの他病棟への展開

著者: 丸山正人

ページ範囲:P.1013 - P.1015

 リエンジニアリング手法を導入し,患者家族焦点ケア(PFFC)を目指したモデル病棟の業務改善への取り組みおよび改善効果を本誌に掲載した.その改善効果を他病棟へ波及させる目的で,水平展開を約1年間を時間軸として取り組んできたので,水平展開の経過と展開中に起こった問題点などについて報告する.

看護管理・8

感染管理・2—寝具類の汚染の実態から院内感染防止策を考える

著者: 嶋森好子

ページ範囲:P.1016 - P.1017

 当院では,1992年から感染予防の観点から看護研究に取り組んでいる.今回は,当時副看護部長であった高峰道子氏(現順天堂看護短期大学助教授)が中心となり,島根医科大学生物学教室の古瀬浩介教授を共同研究者として,現場の看護婦たちが取り組んだ寝具類やナースキャップの汚染度調査の結果から,業務の改善を行ったことについて述べてみたい.

癒しの環境

音楽と癒し

著者: 藤井康広

ページ範囲:P.1018 - P.1018

心に残るシーン
 膵臓癌の再発であと数日の命となったおじいちゃんの居間である.88歳で,もう思い残すことはない.眼の前には今は亡き若かりし頃の愛妻の写真が微笑んでいる.愛妻はにっこりと微笑み,アワビやサザエがたっぷり入っている手桶を抱えている.白いシャツが濡れて海からあがったばかりで,まぶしいくらいだ.海女さんのいでたちで,この地方,っまり日本海重油事故の舞台となったここ安島では,ひと昔前には家庭にいる女性は海女として生計を支えてきたのである.最近では,海女さんのなり手も少なくなり高齢化が激しく,若い海女さんをついぞ見かけたことがないから,その写真が映画スターのようにも見える.
 辺りにはおじいちゃんの好きなクラシック音楽が流れている.眼を開けるのも億劫となっている癌末期の状態なので,写真の中の愛妻が夢うつつとなっているのだろう.おじいちゃんの顔に苦しみの表情は見て取れない.クラシック音楽がその夢を一層効果的に彩っているはずである.ベッドの脇にはほのかな香りを漂わせる可憐な花々が飾られている.

MQIの実践—練馬総合病院・9

栄養科におけるMQI活動と推進委員のかかわり

著者: 秋山安史

ページ範囲:P.1019 - P.1020

 栄養科は,診療部門に属し,入院時食事療養(I),特別管理,選択メニューと職員食の栄養管理業務を直営で実施している.栄養科職員は,管理栄養士4名,栄養士3名,調理師10名,パート1名を加えた18名で運営している.
 病院における質として,マスコミなどで最初に取りざたされたのが,病院給食ではなかったであろうか.「病院給食は,食事の間隔が短くて,冷たくて,まずい」という声が,委託給食承認の弾みを付けた.

連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第49回

ケアポートみまき

著者: 宮本忠長

ページ範囲:P.1022 - P.1025

 北御牧村は,人口5,400人余り,長野県東部(東信地域)にあり,北に雄大な浅間山を望み,南に蓼科山,西にアルプスが一望できる自然豊かな村である.北御牧村の高齢化率は、23.1%(計画当時)と県下第2位の高率である.
 ところで,信州は他県に比べ温泉地が多い県である.しかし,この地域は昔から温泉に恵まれなかった.北御牧村やその周辺に住む人々は十数キロ離れた上山田,戸倉温泉郷辺りへ遊山湯治に出かけるのであったが,近年の温泉発掘ブームで,村の中に豊富な噴出量を持つ,源泉を掘り当てた.その源泉を利用した「御牧乃湯」は,村内の人々はもとより周辺の入湯者で賑わい,温泉保養地として新しい「温泉邑」を計画した.年次ごとに増加を重ね,今日,年間22万人近い温泉の利用者に対応するべく施設群も充実,屋内ゲートボール場,村内の農作物の販売,休息,文化を楽しむ変化に富んだリラクゼーションゾーンとして,文字通り「温泉邑」が完成したのである.

民間精神病院はいま—21世紀への展開・10

高嶺病院—アルコール依存症への当院の取り組み

著者: 橋本隆

ページ範囲:P.1026 - P.1029

 過去の精神科医療は,社会から閉鎖的イメージでみられ,社会の偏見にさらされてきた.アルコール依存症(以下,ア症と略)医療に関してはそれはさらに強い.ア症が疾病であり,回復可能であるという事実は医療よりもむしろ自助グループから発信された歴史がある.さらにわが国のア症治療は,ア症特有の複雑さに加えて,医療と自助グループとの主導権争いでうまく発展できなかったところにこれまでの不幸があるのではなかろうか.医療と患者グループとの協調関係は,今後のアルコール医療の前途を左右する課題であろう.
 こうした中で当院は,地味な努力の積み重ねで着実な成果を上げることができないかと模索する医療を目指している.アルコール医療は,アルコールをやめるための知識だけでなく,心身の症状改善という視点で,人の転機のきっかけを目指すことではなかろうかと考えている.筆者は,地域ではあるが医療者側からア症の治療にかかわり,一定の成果を上げることができた.この概要を紹介する.

福岡フォーラム・98 21世紀への病院経営

ハッピーになる病院経営を—開会のあいさっ

著者: 麻生泰

ページ範囲:P.1032 - P.1033

 「病院改善研究会」の会長を仰せつかっている麻生セメントの社長の麻生と申します.
 国の医療費抑制策の下で,病院数も1万から年々減少しており,病院経営が非常に厳しくなっております.このような状況で,国民医療を担う私たちは,21世紀に向けて病院医療をどう展開し,どう病院経営すべきか,という先行きを探る一つの手立てとすべくこの会を持ちました.

病院におけるマーケティングの展開

著者: 井手義雄

ページ範囲:P.1033 - P.1038

 私は聖マリア病院の副院長ですが,事務系の副院長で医師ではございません.話しも経営のことが中心ですが,聖マリア病院の副院長は医師であるにもかかわらず経営のことばかり話していたと思わないでください.
 それから,聖マリア病院も「病院改善研究会」に参加しております.

21世紀の医療政策—国際的動向を踏まえて

著者: 池上直己

ページ範囲:P.1038 - P.1041

 本日は飛行機が遅れたため予定通り参れずお詫び申し上げます.
 今日の話は病院経営の直接的なノウハウではなく,医療保険改革が今後どういう方向へ流れるかについてです.保険制度は病院にとっては外部環境ですので,それをまず理解する必要があるのではないかと考えます.

診療報酬の今後の方向

著者: 竹内實

ページ範囲:P.1041 - P.1044

 私の分担は診療報酬の改定の問題だけの予定でしたが,広井さんの成田発便が発着しないということですので,広井さんの資料も若干借用してお話いたします.
 まず「21世紀の病院経営」は非常に難しい問題があり,発想を転換しないと病院が生き残るのは無理ではないかという考えです.

●討論/21世紀に生き残る

ページ範囲:P.1045 - P.1049

 紀伊國 それでは質疑および会場の皆さん方との討論に移ります.
 A (公立病院院長,フロア発言)二つほど質問いたします.

データファイル

「カルテ等の診療情報の活用に関する検討会」報告書概要,他

ページ範囲:P.1050 - P.1053

1 経緯
 本検討会は,近年,インフォームド・コンセントの理念に基づく医療の一環として診療情報の提供の重要性が高まっている中で,「医薬品による健康被害の再発防止対策について」において「カルテ等診療記録の開示の問題について……検討の場を設ける」こととされ,また,政府が進めている医療制度の抜本的改革に関する与党医療保険制度改革協議会の「21世紀の国民医療」や厚生省の「21世紀の医療保険制度」においてカルテ情報の提供,開示を進めることとされていることなどから,診療情報の提供及び診療記録の開示の問題について検討を行うために設置された.

医学ごよみ

11月—November 霜月

著者: 木村專太郎

ページ範囲:P.1055 - P.1055

 今月は9が付く9日,19日,29日の3日を選び,医学史上の出来事を述べてみたい.

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

雑誌購入ページに移動

バックナンバー

icon up
あなたは医療従事者ですか?