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連載 医療事故・医事紛争防止とリスクマネージメント・6
医療事故/紛争事例から学ぶ(4)
著者: 川村治子1
所属機関: 1杏林大学保健学部保健学科成人保健学教室
ページ範囲:P.1138 - P.1140
文献購入ページに移動 平成4年に大腸癌検診が老人保健法の検診項目に加えられて以来,2次検診として大腸内視鏡検査が急速に普及した.この内視鏡検査の普及が大腸ポリープの発見率を高め,内視鏡的ポリペクトミーも増加した.しかし,これに伴い穿孔や出血などの偶発症もまた最近増えている.
内視鏡偶発症はそのほとんどが示談で解決されるため,医療事故防止としての議論にも上りにくい.しかし,今後の高齢化の進行で低侵襲的な内視鏡的治療はますます普及・発展し適用も拡大していくこと,さらに,内視鏡ポリペクトミーに限らず外来手術は医療費抑制上増加が予想されることを考えると,この領域のリスクマネージメントを検討することは極めて有用である.低侵襲性,外来手術であるがゆえのリスクもまた存在する.そこで,今回は事故事例としてごく一般的な内視鏡偶発症を取り上げ,内視鏡的検査・治療や外来手術がもたらす新たなリスクへの対応について考えたい.
内視鏡偶発症はそのほとんどが示談で解決されるため,医療事故防止としての議論にも上りにくい.しかし,今後の高齢化の進行で低侵襲的な内視鏡的治療はますます普及・発展し適用も拡大していくこと,さらに,内視鏡ポリペクトミーに限らず外来手術は医療費抑制上増加が予想されることを考えると,この領域のリスクマネージメントを検討することは極めて有用である.低侵襲性,外来手術であるがゆえのリスクもまた存在する.そこで,今回は事故事例としてごく一般的な内視鏡偶発症を取り上げ,内視鏡的検査・治療や外来手術がもたらす新たなリスクへの対応について考えたい.
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