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文献詳細

雑誌文献

病院57巻4号

1998年04月発行

文献概要

連載 医療事故・医事紛争防止とリスクマネージメント・2

総論(2) 訴訟化防止と訴訟対策としての法律知識について

著者: 川村治子1

所属機関: 1杏林大学保険学部成人保健学教室

ページ範囲:P.338 - P.341

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 結果がよければ説明が不十分でも,自己決定権の侵害などと問題にされることはない.結果が悪ければ,それほど危険だと知っていれば受けさせなかったと家族は悔やむ.たとえ,危険性を説明されていても,確率としての危険性と事実としての危険性は異なる.そして,危険性に対する説明が理解できるものではなかったと医療側に反論したくなる.
 侵襲的行為に伴うインフォームドコンセントは,患者の自己決定権の尊重という意味で最近最も重視されている医師の義務の一つである.医療側もこれを行えば,紛争から開放されるかのような錯覚を持つ.しかし,患者は説明を聞いて医師の勧める治療に同意はしても,納得しているとは限らない.「納得」とはその必要性とリスクを理解し,そして「リスクをも含めてこの病院,この医師に委ねたい」と思うことだ.信頼関係に裏打ちされた真の意味での「納得」がなければ,紛争は起こる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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