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特集 薬価基準制度の行方
新しい薬価基準制度の課題—参照価格制度をめぐる議論の問題
著者: 姉川知史1
所属機関: 1慶應義塾大学大学院経営管理研究科
ページ範囲:P.784 - P.788
文献購入ページに移動 筆者が編集部より与えられた主題は流通の近代化と薬価制度である.流通とは狭義には取引慣行,流通構造を意味するが,その分析は医薬品の薬価,薬価差,医薬品使用量,保険からの償還制度などの分析によって初めて可能となる.
本稿では現在検討が行われている「参照価格制度」をめぐるこれまでの論点を整理して,その制度が薬価差を理論的には完全に解消するものの,薬価と薬剤費を低下させることは保証しないことを明らかにする.さらに参照価格制度に代わる新しい薬価制度として,「自由薬価」,保険から医療機関,薬局に対する「購入価給付制度」,保険者による需要管理政策である「総枠予算制(定額制)」の3者の組み合わせが,有力な選択肢となりうることを示す.
本稿では現在検討が行われている「参照価格制度」をめぐるこれまでの論点を整理して,その制度が薬価差を理論的には完全に解消するものの,薬価と薬剤費を低下させることは保証しないことを明らかにする.さらに参照価格制度に代わる新しい薬価制度として,「自由薬価」,保険から医療機関,薬局に対する「購入価給付制度」,保険者による需要管理政策である「総枠予算制(定額制)」の3者の組み合わせが,有力な選択肢となりうることを示す.
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