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医療における選択
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ページ範囲:P.1009 - P.1009
文献購入ページに移動戦後の混乱期に,国民に生活の安心を保障するために整備された医療は,「貧困からの救済」という基本理念のもとに,公平という概念に基づいて量的整備が行われてきた.その間,いわゆる「お上」による配給的性格—これは医療保険制度ならびに医療提供体制両者ともいえるが—を有した時代には法制度による各種規制が必要であったことも事実である.21世紀を目前にした今日,国民の社会生活は大変豊かになり,個人の選択が重要視され,また,国際的水準を確保することも求められるようになった.そのような社会では,医療提供にかかわる質の向上のための「ドライヴィング・フォース」として法制度と経済誘導のみでは極めて不適切になった.そこで,それらにかかわることとして,規制緩和と情報の開示が対をなすことであると検討されつつある.
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